ノンタソさん

題名:「パズズ教団に潜む淫獣」

前編

第一章 忍び寄る親衛隊の罠
  パズズ教団・・・それは教祖パズズを中心とした宗教団体である。突如として現れた彼
らは様々な予言を当てることにより、急速に勢力を伸ばしていた。混沌とした世の中で、
人々は彼らを神とあがめ、信仰していった。誰一人としてパズズを見たことがないにもか
かわらず・・・。
  教団は多くの信者の中から選りすぐりの精鋭を集めていた。彼らは「パズズ親衛隊」と
呼ばれていた。彼らは「ゴッドサイダー狩り」の実行部隊でもある。そのためゴッドサイ
ダーたちは世界中に身を潜めていた。しかし彼らもただ逃げているだけではなく、様々な
情報を得るための偵察にも余念がなかった。

  霊気と流璃子は、もっとも危険な場所にいた。教団総本部近辺である。廃ビルを基点と
して情報収集を行っていた。
  ある日、部屋に戻ろうとした時だった。
「いやな予感がする。」
  流璃子は何かを感じた。
「気のせいだろう。」
  霊気はまったく警戒もせずドアを開けた。
ドォォォォォォン・・・・
  すさまじい爆発が起き、二人は爆風に巻き込まれた。
「ううう・・・」
  流璃子が気がついたとき、周囲はパズズ親衛隊によって取り囲まれていた。
「ぐああ・・・助けてくれぇ。」
  振り向くと親衛隊に暴行を受ける霊気がいた。流璃子は駆けつけるや否や、すばやく蹴
りや突きを繰り出し親衛隊を蹴散らした。
「私をあなどってもらっては困るわ。」
  二人は少し微笑んだ。しかし数え切れないほどの親衛隊に取り囲まれている状況には変
わりなかった。
「二手に分かれて逃げるぞ!」
  確かに道は二つある。しかし一つは親衛隊の側にあり、もう一つは比較的安全である。
「それは危険だわ。もう少し作戦を練らないと・・・」
  流璃子が話し終える間もなく、霊気は目くらましの光を放つと、
「気をつけて逃げるんだ!」
と言いながら一目散に危険の少ないほうへ逃げ出した。
「くっ・・・」
  流璃子は危険な方向へと駆け出した。数人の親衛隊を振り切りながら、とりあえずその
場を離れることには成功した。
「二人を追え!」
  親衛隊長は号令をかけ、二人を追いかけようとした。
「待ちなさい!」
  凛とした声が響き渡った。
「リ、リリス様・・・。」
  リリス・・・教祖パズズの母であり、教団の実質的指導者である。その人物がこの場に
現れたのだ。
「まずはあの女を捕らえなさい。男のほうにはやってもらわねばならないことがあるから
ねえ。フフフ・・・。」
  リリスは不敵な笑みを浮かべながら、流璃子捕獲へと親衛隊を差し向けた。

     第二章 襲い掛かる危機
「ハアハアハア・・・」
  流璃子は逃げ続けていた。しかし長時間の逃走により、疲労の極地であった。
「うまく逃げ切れただろうか・・・」
  自分を捨て駒のようにして逃げた霊気ではあったが、心配であることには変わりはなか
った。また会えるだろうか・・・様々なことを考えながら、流璃子は歩いていた。目の前
に工場が見えた。今日はここに身を隠そうと、中に入った。中はもぬけの殻で、流璃子は
小さな部屋に入り、壁に沿うようにして眠った。
ゴト・・・ゴトゴト・・・
  流璃子は物音に目を覚ました。時計を見ると、あれから30分程度しか経過していなかっ
た。恐る恐る窓の外を見るも、何も見当たらない。気のせいと思い、もう少し眠ろうと振
り返った。
「少しだけお付き合い願おうか。」
  親衛隊だった。流璃子は恐怖しながらもすばやい身のこなしで親衛隊を蹴散らした。工
場内から抜け出し、逃れたかに思われた。
ドフッ
  親衛隊の警棒が流璃子の腹部へと打ち込まれた。
「うぐっ・・・」
  うめき声を上げ、その場に倒れこんだ。
「捕獲しろ!」
  号令とともに、数人の親衛隊がのしかかった。流璃子は後手に手錠をかけられながらも
必死に抵抗し、逃げ出そうとした。
「おとなしくしやがれ!」
  更なる腹部への一撃は、流璃子の意識を刈り取るのに十分なものであった。

バシャ・・・
  水を浴びせかけられ、流璃子は目を覚ました。ここは工場の中だった。
「お目覚めのようね。」
  目の前には逆さまのリリスがいた。正確には、逆さまなのは流璃子の方であった。水の
上に逆さ吊りにされている。
「もう少し眠りたかったわ。」
  流璃子はリリスをにらみつけるようにして言った。恐怖におびえているのをこらえてい
るかのようだった。
「用が済んだら好きなだけ眠らせてあげるわよ。」
  リリスは流璃子の髪をつかみ、見下ろすような格好にした。
「噂通りきれいな顔をしてるわね、流璃子。素直に質問に答えれば、そのかわいい顔には
手出しはしないわ。」
  流璃子はまだにらみつけている。
「そろそろ始めましょうか。仲間の居場所はどこなの?」
  流璃子は何も答えようとしない。
「もう一度聞くわよ。仲間はどこなの?」
  リリスが聞くが、
「今夜の月はきれいそうね。」とあわせようとしない。
「質問の意味がわからないようね。」
  リリスは何かのサインを親衛隊に送った。
バシャーン
  流璃子は水の中へ落とされた。
「ゲホゲホッ」
  引き上げられむせる流璃子を見ながら、リリスは不敵な笑みを浮かべていた。
「意味はわかってもらえたかしら。質問に答えるだけで楽になれるのよ。」
「知らないことは答えられないわ。」
「ちっ、忌々しい娘だ。」
  またもや水に落とした。親衛隊が上げようとすると、
「余計なことはしなくていい!」
  リリスの怒りが響き渡った。
ゴボゴボゴボ・・・
  流璃子は悶えるだけだった。リリスは流璃子を引き上げると、
「水魔ブロケルには物足りないかねえ。」
リリスがそう言った直後だった。
パシャ・・・
  流璃子は口に含んでいた水をリリスの顔に吐きかけた。怒りと屈辱で、リリスの顔は見
る見るうちに赤く染まっていった。
「どう?私からのプレゼントは。」
  流璃子は勝ち誇ったような表情をしている。その表情に、リリスはさらに怒りを増した。
「調子に乗りあがって、このアマが!!」
  リリスは親衛隊から警棒を奪うと、一心不乱に流璃子の体を打ち始めた。
「うあっ」「ぎぃ」「ぎゃあ」「ひぃ」「あがぁ」「うぎゃあ」「いやぁ・・・」
  激しい痛みに流璃子は悲鳴を上げ続けた。リリスは己の怒りをぶつけるかのようにその
肢体を嬲り続けた。
「うぁぁぁぁ・・・・・・・」
  悲鳴は徐々に小さくなっていった。激しい責めに衣服はボロボロになり、先ほどまでの
強気な表情はそこにはなく、抵抗できずに嬲られ続けた無力感が漂っている。
「プレゼントのお礼、気に入っていただけたかしら。」
  リリスは楽しんでいるかのようだった。
「・・・わ・・私は・・・何・・・も・・・」
  流璃子は白目を向き、失神した。
「す、すごい・・・」
  親衛隊長は驚きを隠せなかった。
「これくらいの生ぬるい拷問で吐くようではゴッドサイダーはつとまらないわ。流璃子を
私の部屋につないでおきなさい。」
  流璃子は降ろされ、親衛隊に力なく両脇を抱えられ運ばれていった。
「さあ、どうやって遊んでやろうかしら。必ずすべてを聞き出して・・・いや、私の最高
の奴隷にしてあげるわ。」
  流璃子の生き地獄は、今始まろうとしていた。

     第三章 わずかな光
「ううぅ・・・」
  流璃子は意識を取り戻した。
「ん?」
親衛隊は流璃子の顔をのぞき込んだ。
「気のせいか・・・」
  流璃子は気を失ったままのように振舞っている。ここが教団の内部であることはすぐに
わかった。逃げ出すのは容易ではない。周囲には多くの親衛隊がいる。まずは様子を探り、
機会をうかがうことにした。
  流璃子のゴッドサイダーとしての能力は治癒能力である。しかしその能力をもってして
も、まだひどいダメージを追っている。体力が回復し、親衛隊が少なくなる機会をうかが
っていた。

  しばらくした後、地下牢へと運ばれていた。牢に入り、吊るす準備が行われていた。親
衛隊は二人になっていた。
「さっきから思っていたが、極上の女だな。」
「ああ、リリス様の獲物でなかったら、犯りまくっているだろうな。」
  親衛隊は、まったく警戒していない。体力は回復していなかったが、絶好のチャンスだ
った。流璃子は腕を振り払うと、すばやく一人のあごに左掌底を入れ、あっけにとられて
いるもう一人にもすばやくハイキックを側頭部へと打ち込んだ。
「ここにいつまでもいられないわ。」
  二人を気絶させると、運ばれてきた通路を戻り始めた。出口はわからない。しかし来た
方向へと戻れば出られるのは確かである。わずかな光ではあるが、流璃子は走り出した。

  教団内はあわただしく親衛隊が走り回っている。流璃子は慎重に歩みを進めた。少し先
に窓が見えた。少なくとも施設から逃げ出すことはできる。しかし通路には親衛隊が二人
警備をしている。
「ゆっくりもしてられないわ。」
  今までとは対照的に大胆に親衛隊に近づいていった。一人の背後にすばやく忍び寄ると、
裸締めで落とした。
「きさまは・・・」
  後ろから襲い掛かるもう一人に、流璃子は後ろ回し蹴りを腹部へと放った。
「ぐへっ・・・」
  膝から崩れ落ちる親衛隊の顔面に、もう1発蹴りを入れた。
「無駄な殺生はしない主義だから。」
  そう言い残すと、窓から外に抜け出した。

「施設から出れば・・・」
  流璃子の警戒心は、わずかながらではあったがゆるくなっていた。そして行動は大胆に
なり、親衛隊の注意を引く結果となってしまった。倒せど倒せど襲い来る親衛隊。それに
加え、ダメージが抜け切らない体。徐々に劣勢となり、追い詰められていく。
「このままでは・・・」
  焦りが焦りを生み、判断を狂わせていく。走り出た先は、門の前だった。
「しまった・・・」
  周囲は親衛隊に囲まれていた。

「ここで待っていて正解だったようね。」
  リリスは笑みを浮かべながら近づいていた。
「人を騙すなんていけない娘だこと。」
  流璃子は絶望の淵へと追い詰められていた。
「もうこれしかない・・・」
  覚悟を決めると、リリスに向かって一直線に走り出した。リリスを盾にしての脱出・・・
もはや作戦とは言い難い玉砕覚悟の行動である。
「何をするつもりだ!」
  親衛隊が立ちふさがる。
「邪魔よ!」
  力を振り絞り払いのけると、リリスに向かってハイキックを放った。
ガッ
  リリスは簡単にガードした。
「一対一の勝負・・・フフッ、面白そうじゃない。親衛隊、楽しんでみてなさい。結果は
わかりきっているけどね・・・。」
  リリスの自信とは対照的に、得意のハイキックが簡単に防がれたことに対する恐怖感が、
流璃子を取り巻いていた。しかし後戻りはできない。
「やっ!」
  流璃子はすばやく突きや蹴りを繰り出していく。
「アハハハハ・・・」
  リリスは笑いながら軽々とガードし、かわしていった。
「ハアハアハア・・・どうして・・・」
  さらなる恐怖感が流璃子へとのしかかる。
「もう終わりなの?次は私におつき合いを願うわ。すぐに楽にしてあげるから。」
  リリスは笑みを浮かべた瞬間、流璃子の懐へと入り込んだ。
「おああぁぁぁ・・・・」
  膝蹴りを入れられ、うめき声をあげながら後ずさりする流璃子に、リリスはさらなる攻
撃を加えた。
「うあああぁぁぁ・・・・・」
  ガードしたにもかかわらず、リリスの回し蹴りは体の芯まで響いた。リリスの放った右
ストレートは流璃子の顔面を捉え、流璃子は後ろに転倒した。
「・・・ぁぁぁ・・・ぁぅ・・・・」
  力なく喘ぐ流璃子の髪をつかんだリリスは、無理やり上半身を起こした。
「もう少し遊んでほしい?」
ペッ
  勝ち誇るリリスの顔に、流璃子はつばを吐きかけた。しかしリリスは予想していたかの
ようにかわした。
「本当に物わかりの悪い娘ね。調子に乗るのもほどほどにしておけばいいものを・・・。」
  髪から手を離すと、入れ替わるように親衛隊が取り囲んだ。流璃子に倒された者たちで
ある。
「私の代わりに遊んであげなさい。」
  リリスは親衛隊に用意させた椅子に腰掛け、流璃子を眺めていた。
「畜生・・リリス・・・絶対に許さない・・・・」
  流璃子の目は、強い意思を失っていなかった。
「オイオイ何言ってんだ、このねーちゃんはよ。」
  親衛隊は流璃子を羽交い絞めにし、無理やり立たせた。
「恥かかされたお返しをさせてもらおうか。」
  親衛隊による"私刑"が始まった。

  警棒で数発、腹部を打ちつけた。
「うえっ・・・」
  流璃子は胃液を吐き出した。胃液をかけられた親衛隊は怒り狂い、顔面を幾度となく殴
りつけた。
「うぐっ・・」「ぐえっ・・・」
  涙を流しながら激痛に力なく声を上げる。殴る、蹴る、投げ出しては受け止め、さらに
殴る、蹴る・・・・。何度も繰りかえされるうち、流璃子は膝から崩れ落ちた。それでも
なお、"私刑"は続けられた。
「そろそろいいかしら。」
  リリスは流璃子を目の前に連れてこさせた。
「話す気にはなってくれたかしら。」
  流璃子のあごをつかむ。
「私はゴッドサイダーよ・・・きっと仲間が・・・・」
  自力での脱出はあきらめたものの、仲間の救出を信じていた。
「そう・・・」
  リリスはうつむき加減でそう言った。次の瞬間、流璃子のシャツを破り始めた。
「な・・・何するの!」
  驚く流璃子に平手打ちをすると、
「かわいいものをつけてるわね。」
と、下着をじっくりと見回した。
「生意気な娘ね。」
  下着を剥ぎ取った。あざや生傷はあるものの、透き通るような白い肌に、形のよい、程
よい大きさの美乳を持つ上半身をさらけ出した。
「いや・・・やめて・・・」
  許しを請うように流璃子は言った。
「これだけきれいならじっくり楽しめそうだわ。責めがいがあるわ。」
  リリスは流璃子の乳房に爪をつきたてると、思いっきり引き裂いた。
「ぎぃぃぃぃやぁーーーーーー」
  流璃子の悲鳴が辺り一面に響き渡った。
「痛い・・・誰か・・・・助けて・・・」
  乳房には四本の爪痕が走り、血が滴り落ちている。激痛は失禁も引き起こし、下半身は
ぐっしょりと濡れていた。
「お前の能力は確か治癒能力だったな。それを奪い取ってやるよ。フフフ・・・どこまで
耐えられるかしら・・・今から楽しみだわ。」
  失神し、拘束されていく流璃子を眺めながら、リリスは任務を忘れたかのように流璃子
の美しい肢体を嬲る喜びを感じていた。

  わずかに見えた光・・・たどり着くと、そこはさらなる絶望へと続く道であった。

第四章 悪夢の始まり
  カッカッカッ・・・何者かの足音に、流璃子は目を覚ました。目隠しをされ、後ろ手に
縛られ、上半身は裸のまま拘束されている。足はかろうじて床に届いている。
「だ・・誰・・・誰なの・・・」
  流璃子の問いかけにもかかわらず、無言のまま足音は近づき、何かを手に取ったようだ
った。
  次の瞬間だった。
「あっ・・あーーーーー」
  激しい痛みが流璃子を襲った。
「あっ・・あっ・・・いたっ・・・・ぎぃぃぃーーーー」
  何者かが流璃子を鞭のようなもので打ちのめす。鞭で打たれた流璃子がぐったりしてう
なだれていると、その髪をつかまれ上を向かされた。
「いい気味だ。待ち望んでいた復讐がこんなにもすばらしいものだったとは・・・。」
「この声は・・ま・・・まさか・・・フォラス!?そんな・・死んだはずでは・・・」
「久しぶりだな、流璃子。お前の言うとおり、私は一度死んだ身だ。しかしリリス様のお
かげでここにいることができたのだ。」
「お前はデビルサイダーのはず・・・」
  流璃子が言うや否や、腹部に蹴りを入れた。
「ぐえっ・・・」
「貴様が言えたことか!!このメスブタが!!」
  フォラスはまた鞭で流璃子を打ち出した。
「うううう・・・・・・・・」
「なぜデビルサイダーを捨てたのかを教えてやろう。私はベルゼバブ様・・いや、ベル公
を愛していた。にもかかわらず、あいつはお前を求めていた。お前の名を呼びながら自慰
をしているのを見たから間違いない。そこにきてリリス様は死んだはずの私を生き返らせ、
必要としてくださっているのだ。もはやデビルサイダーでいる理由がなくなったわけだ。」
  流璃子はただ怖かった。フォラスが生きている・・・かつての裏切りにかこつけて、ど
のような目に合わされるのかわからなかった。
「怖いか、流璃子・・・おまえはかつてのかわいい部下だ。お前を愛したベルゼバブと同
じ愛情表現をしてやろう。」
  あのグランドキャニオンでの記憶・・・そう、処刑され、処女を奪われ、奴隷調教され
た、あの忘れたはずの記憶がよみがえった。
「いやっ・・・やめて!誰か助けてっ!」
  泣き叫ぶ流璃子に笑みを浮かべながら、フォラスは拘束を解いた。
「た・・助けてくれるの・・・?」
  フォラスの笑顔は瞬時として怒りへと変わった。
「まだ始まったばかりだろうが!」
  親衛隊は流璃子を後ろ手にて手錠をかけ首輪をつけると、有刺鉄線で流璃子の上半身を
縛りだした。足は壁につながれている鎖につなぎ固定され、首輪には天井につながれた鎖
をかけられ、立ったような状態にされた。
「ぎっ・・・な・・・なにを・・・」
  痛みに耐える流璃子を、フォラスはまたも鞭で打ち始めた。有刺鉄線がその白く柔らか
い肌に食い込み、さらには引き裂く。
「ぎゃぁぁぁぁぁ・・・・」
  泣き叫ぶ流璃子を満足そうに見ていた。
「さあ、次は一度やってみたかったことだ。」
  フォラスは液体の入ったビンを取り出すと、その液体を流璃子の胸の谷間に流した。
「キャアアアア!!」「ヒィィィィーーーーッ」
  液体は濃硫酸だった。胸の谷間を焼かれた流璃子は激しい痛みに半失神になり、ぐった
りと頭を前にたらした。
「なつかしいだろう。もっとしてほしいか、流璃子?」
  流璃子は無言のままうなだれでいる。
「何とか言いやがれ!!」
  そばにあった警棒で殴ろうとしたときだった。
「お待ちなさい。」
  リリスはフォラスを制止するかのように言った。そして流璃子に歩み寄ると、あごをつ
かみ顔を上げさせた。
「さすがのゴッドサイダーも、力を奪われると大したことないねえ。テレパシーもできず、
治癒能力もないお前なんぞ、普通の人間に毛の生えた程度の力しかないのだから。」
「だったら・・・どうだって・・・言うのよ・・・」
  リリスはにらめつけると、さらに力を入れてあごを握った。
「どう、助かりたかったら知ってることを言いなさい。」
「何を・・聞きたいの・・・・お前たちに・・話すことなんか・・・何も・・ない・・わ・・・」
「そう・・・でも、元気がないわね。元気にしてあげるわ。」
  親衛隊が有刺鉄線に機械を取り付けると、スイッチを入れた。
「うううううううううう・・・・・・・」
  有刺鉄線に電気が流され、流璃子はうめき声を上げ始めた。
「さあ、お楽しみはこれからよ。」
「ううう・・・うあ・・・ああ・・あああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーー」
  リリスは電圧を上げ、その激痛に流璃子は絶叫した。
「アーーーーあっ・・・ひぎっ・・・いいいいぃぃぃぃーーーー」
  リリスはさらに電圧を上げた。流璃子の肢体は反り返り、目を大きく開いたまま叫び続
けた。
「あひぃぃぃーーーー・・・・・・・ぁ・・・・ぅぅぅ・・・」
  電流を切ると、流璃子はよだれを垂らしながらうなだれ、まったく動けなくなった。
「気持ちよすぎたかしら・・・。さあ、知ってることを言ってごらんなさい・・・。」
「・・・・・・・」
「まだ言わないつもりなの・・・。だったらもっと気持ちよくしてあげるわ。」
  親衛隊に流璃子の手錠以外の拘束を解いた。仰向けに寝かせると、リリスは用意してい
たペニスバンドをつけ始めた。
「私にもあなたにも気持ちのいいこと・・・最高でしょ?」
「何をする・・や・・・やめてぇーーーー」
  リリスは流璃子に覆いかぶさると、擬似ペニスを無理やり秘部にねじ込んだ。
「いやっ・・・あっ・・・あーーーーーーやめてぇぇぇぇーーーー」
  抗う流璃子にはまったくかまわず、さらに激しく腰を動かした。
「やめろって・・・言ってるでしょ!」
  流璃子が足をばたつかせて何度も蹴ると、リリスは流璃子を持ち上げた。
「フォラス・・・したいでしょ・・・?」
「よ・・よろしいのですか!!!」
  フォラスは流璃子のアヌスにペニスをねじ込んだ。
「ああああーーーーぎぃぃぃーーーー・・・」
「まだだ、まだまだだ・・・・おおおおおおお・・・・・・」
「だ・・・だめっ・・・ああぁぁぁーーーー・・・」
「気持ちいいかい・・・そんなに気持ちいいかい。私も最高だよ、ハハハハハ・・・」
  三人は果ててしまった。
「ハァハァハァ・・・さあ、話す気になったでしょ?」
  流璃子はリリスをにらみつけると、あざけるように笑い始めた。
「フフフ・・・アハハハハ・・・」
「何がおかしい!」
  フォラスは激怒した。
「こんなところで油売ってる暇があるなら自分で探してみたらどうなんだ。能天気なマヌ
ケと淫売の癖に。お前たちなんか皆殺しにされてしまえ!ハハハハ・・・・」
「この・・・甘く見やがって!!!」
  リリスは流璃子を蹴りだした。
「うえ・・・・げほっ・・・うげぇぇーーー・・・ぅぅぅぅ・・・」
「絶対に吐かせてやるからな。そのためにと言っては何だけど、地獄を見てもらおうかし
ら、フフフ・・・」
  流璃子に顔を踏みつけたまま、リリスは吐き捨てるように言った。力は奪われたものの、
流璃子の心は折れてはいなかった。しかしその強さが、さらなる悲劇を引き起こそうとは
流璃子にはわからなかった。

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