題名:「二人の夜」

「二人の夜」

地獄が地上に現出したあの日。
滅び行く大神魔王パズスが道連れにしようとしたこの世界。
世界破滅の危機を救ったゴッドサイダーは全て消息を絶った。
生き残った人間達を護る者はもはやなく、悪魔の時代が到来した。

......数年後......

パズスが自爆した爆心地付近は、ペルセポリス碑文の強力な魔力になお汚染されており、ほとんど
の生物を近づけなかった。
闇の時代の到来とともに、一斉に地上に現れたデビルサイダー達は、瞬く間に世界を席巻していっ
たが、上位デビルサイダーさえも近づくことの困難なこの一帯は禁忌の土地とされ、悪魔王国の建
設の喧騒の中、最辺境として捨て置かれていた......。

夕闇が迫る時刻。
ゴッドサイダーの影となって破壊を免れた建物を、最後の残照が照らしている。東の空にはもう星
が瞬いている。
動くもののない死の街の一角に、その小さな教会は立っていた。
神の威光を照らしたステンドグラスは色褪せ、福音を伝えた鐘の音も絶え果てたこの教会に、近づ
く影。
影が重く古い木の扉を開く。内側からパイプオルガンの響きが漏れ出す。フォーレのレクイエム。
影が礼拝堂に忍び入る。正面に十字架に掛けられたキリスト像。
オルガンの音は影の上空から響いていた。中央まで進んで振り向く。
見上げるその先にはオルガンを奏でる黒い尼僧の姿があった。
「ここにたどり着くとは...余程の魔力をお持ちのようですね......」
オルガンを奏でながら、振り向きもせず尼僧が呟く。
「今宵は鎮魂の夕べ......邪魔して欲しくありません。立ち去るならば見逃しましょう......」
影が微笑む。
「立ち去る訳にはいかない。ようやく逢えたのだから。」
その声にオルガンの音が止む。振り向く尼僧。
「!!あなたは......」
「お久しぶりね、流璃子。」
被っていた黒いマントをとった鶚がそこにはいた。

いつしか辺りは夜になっていた。。
(パズスの最期。あの瞬間、全ての記憶が途絶えた...。気づいた時、私はこの教会にいた......。そ
れまでどうしていたのか...判らない......)
互いのこれまでの身の上話をしながら、流璃子は回想する。
(摩圖崇教団の突然の襲撃......私は行仁和尚様から逃れ......霊気と再会して教団を探った頃......二
人きりの日々は楽しかった......でも、奇肱国の四騎士を名乗る敵が来た。それが......)
鶚を見やる。濡れたように輝く漆黒の髪。美貌を一層引き立たせる、きらきらと輝く意志の強い瞳。
新たなゴッドサイダー。
「私は一年前にここで気付いたの。辺りには碑文の魔力と殺された人々の怨念が激しく渦巻いてい
て、出て行ける状態じゃなかったから、ずっと浄化に努めていたのだけど......ずいぶんかかったわ。」
「私が覚えているいるのは3ヶ月前から。それまでどうしていたのかしら?仲間を探そうと、デビル
サイダー達と戦いながら街を転々としていたら、『誰もいない爆心地から時々オルガンの音が聞こ
える』って噂を聞いたの。あんな所にいるなら只者じゃないと思って来たのよ。正解だったわ。」
(私たちが生きているのなら、皆も、霊気もきっと無事。霊気に逢える。必ず......!)
久々に出会えた同胞に、いつになく饒舌な鶚。流璃子の声も弾む。
「まあ、そんな戦いの旅を?さすがは鶚さんね。出会ったデビルサイダーはとんだ災難ね。」
「ひどいわ、それじゃ通り魔みたいじゃない。か弱い独り身の女を狙う魔の手から、この細腕でよ
うやく逃れてきたのよ。」
「うふふ、その細腕が振るう剣に、何人の猛者が倒れたのかしら?刀は百本集まった?」
「それが九十九本集めたところでね......って、私は弁慶じゃなーい!」
笑い転げる二人。

「話は尽きないけど、鶚さんもお疲れでしょう?続きは明日にしましょう。休む前に、お風呂に入
りませんか?」
流璃子の言葉に鶚の目が輝く。
「えっ、お風呂があるの?もう夢にまで見ていたわ......乙女のプライドを失いかけてたの。」
「さっき沸かしておいたの。この教会の一角は全然被害がなかったみたいで、井戸水も綺麗なの。」
「もー何、この待遇の差は?霊気との再会を待ち焦がれながら毎日肌を磨いていたって訳ね。悪か
ったわね、来たのが私で。」
からかう鶚の言葉に流璃子の頬が染まる。
「え?そ、そんな......」
「照れることないじゃない。見たわよ、決戦前の二人のキス。いいわねえ、両想いは。」
「もう、からかわないで。」
流璃子は膨れて見せ、ずんずん歩いていく。慌てて後を追う鶚。
「あ、ちょっと待ってよ流璃子。」
(......霊気とのキス......それまで二人きりでいても何も言わなかったから、霊気が私をどう思って
いるのか不安だった......嬉しかった......)
不意に子供の頃の記憶が蘇る。

「ええーっ!るりこおねえちゃん、とおくにいっちゃうの?」
「うん。パパとママがどうしてもって。それで明日......」
「やだいやだい!いっちゃやだい!ずっとあそぶってやくそくしてたのに......」
地団駄を踏んで泣き出す霊気。
「ごめんなさい。やくそく、まもれなくて。でも、ぜったい、またあえるわ......それまでがまんし
て......」
「ぐずっ......ひっく......じゃ、じゃあ、こんどあうときは、おねえちゃんはぼくのおよめさんにな
ってね。」
「うん。やくそくよ。こんどはぜったいまもるわ。」
「じゃあ、ゆびきり!」
小指を差し出す霊気。
「ううん。およめさんのやくそくは、これよ。」
霊気の唇に軽い口づけ。
「ああー!ねえっ...これってチュー?」
「うん。ちかいのキッスよ」
(......そうだ。私の初めてのキスは、霊気に......)
胸が暖かい気持ちで一杯になる。
(霊気......早く逢いたい......!)

「へぇー、綺麗なお風呂ね。それに広いわ。」
歓声を上げる鶚。
「じゃあ、ごゆっくり。」
立ち去ろうとする流璃子を呼び止める。
「ねえ、こんなに広いんだもの。一緒に入りましょう?」
戸惑う流璃子。
「で、でも......」
「いいじゃない、女同士だし。それに、おじゃべりも続けられるでしょう?」
「え、ええ......そうね。そうしましょうか。」
人恋しかったのは流璃子も同じだった。

湯気に煙る浴槽に体を沈めた二人。おしゃべりに夢中になって時を過ごす。
「ふふ、いけない。のぼせちゃうわ。」
鶚が立ち上がる。湯を滴らせた見事なプロポーション。染み一つない完璧な肌。
「綺麗ね......鶚さん。」
「ふふ......ありがと。......これも彊良のおかげね。」
流璃子は思い出す。鶚に新たな命を与えた武人の姿を。
「ねえ、洗いっこしましょうよ。」
「ええ......」
誘われて流璃子も立ち上がる。白い肌。くびれたウエスト。妖しくしなる乳房。鶚に一瞬猫の瞳が
宿る。

「流璃子......肌もすべすべね......」
流璃子の背中を鶚の手が泡で包んでいく。
「それに、この膨らみ。まあ、溶けてしまいそうに柔らかいわ......」
両手を滑らせ、流璃子の両の乳房に這わせる。下から持ち上げるように揺する。
「きゃっ...!もう、やめてよ鶚さん。」
桃色の乳嘴に触れられ、瞬間弾ける流璃子。
「ふふ、いいじゃない。減るもんじゃなし。」
「それじゃ痴漢の親父よ。」
戯れる二人の姿が鏡に映る。流璃子は気づかなかった。鏡の中の流璃子を見つめる鶚の猫の瞳に。

「このベッドを使ってください。」
流璃子は普段使っているベッドを鶚に差し出す。
「流璃子はどこで寝るの?」
「私は応接間のソファにでも......」
「それは駄目よ。流璃子を追い出すなんて。私がソファで寝るわ。」
「私はいつも使っていたから。お客様、どうかお使い下さいませ。」
メイドのような口調で流璃子。
「だーめ!だいたいこのベッド、ずいぶん大きいわ。ダブルベッド?」
「ええ、きっと牧師夫妻の寝室だったんでしょうね。」
「じゃあ、一緒に寝ましょうよ。私結構寝相はいいのよ」
「でも、一人でゆっくりしたほうが......鶚さんお疲れでしょう?」
「流璃子を追い出してくつろぐなんて出来ないわ。」
不意に鶚が思いつめたような口調になる。真剣な眼差し。
「お願いよ、流璃子......」

カーテンの隙間から月光が差し込む部屋で、二人の女が枕を並べて横たわる。ベッドランプが淡い
光を灯す。
「流璃子...もう寝たかしら?」
「いいえ...」
「私、あなたに謝らなくちゃいけないの......私は本気であなたを殺そうとしたわ......」
「もう昔の話じゃない。今は仲間よ。皆で一緒にパズスを倒したのだし......」
「私があなたを殺そうとしたのはね、流璃子。大影神烏影に命じられたこともあるけど、本当は違
うの。」
「え......?」
「烏影が殺害指令を下した時ね、あなた達の姿を見せたの。あなたが映ったとき...彊良が言ったの
...『何という美しい女だ。こんな美しい女は初めて見る』って......。その時よ、私が本当の殺意を
抱いたのは。」
「鶚さん......」
「彊良と私は恋人同士だった。本当に愛していたわ。あの日......周の追撃隊に捕捉されるまで。」
流璃子はそっと隣の鶚を窺う。天井の見上げる鶚の瞳は大きく見開かれていた。静かな口調で続け
る。
「私は......捕まった彊良達が見ている前で、周の隊長に辱められた......その後、何人もの兵士に犯
されたわ......。彊良は歯を食いしばって泣いていた......山揮と鳴蛇は興奮で濡れた股間を膨らませ
ていたわ。私を見つめる目がぎらぎらと輝いていた。そして私は最期に焼けた鉄板の上に落とされ
て......二目と見られない醜い姿になった......。」
鶚の瞳から涙がこぼれる。
「死の間際、パズスが現れたの。私たちは隷属と服従を条件に命を救われたわ。でも、私の姿は元
には戻らなかった...。あれから、私と彊良の間には見えない壁ができたの...。三千年生きながらえ
る間に、私は心まで醜く朽ちていた...あなたの美しさが妬ましかった......彊良の心を奪った流璃子
が本当に憎かった......。」
鶚は、あふれ出す涙を拭おうともせず、流璃子を見つめる。
「私の心はすっかり正気を失っていた。あなたが死ねば、彊良の心が再び私に戻ってくると思い込
んだの......本当にごめんなさいね。」
鶚は流璃子を見つめ続ける。
「......流璃子。私を、許してくれる?」
「私は何とも思っていません。それに、彊良さんの心はいつも鶚さんに......」
「ええ、彊良が死んで、やっとそれがわかるなんて...愚かよね...。彊良はいつも私を思っていてく
れたのに......醜い姿に苦しむあまり、私は自分の心を塞いでいたんだわ。彊良が自らの命を捨てて、
私を救ってくれた...。私の体の傷を癒し...心の傷を癒して、ゴッドサイダーとして蘇らせてくれた
の。」
濡れた瞳で微笑を浮かべる鶚。
「私はいつも彊良を感じているの。私達は二人で一つなんだわ。でもね、流璃子。あなたは霊気を
しっかり捕まえてなきゃだめよ......今は会えなくて寂しいでしょうけど。」
鶚がいたずらっぽく尋ねる。
「......霊気を想って眠れない夜はどうしていたの?」
流璃子が頬を赤らめるのがわかる。
「そ、そんなこと......私たち、まだそんな関係じゃ......」
「ふふっ。いつも自分で自分を慰めていたんじゃない?霊気の愛撫を想像して......」
瞬間、鶚の顔に猫の瞳が閃く。
「だ、だから、私たちそんな関係じゃ......」
「いいのよ、隠さなくても......うふふっ...そうだわ。これまでの償いに、今夜は私があなたを慰め
てあげる......」

不意に流璃子に被さり、唇を重ねる鶚。
「!......」
驚きに声もない流璃子の口をこじ開けて、滑らかな舌が侵入していく。
鶚の両手は流璃子の頭を抱え込み、逃れる隙も与えない。
「んっ......んんっ......むうっ......!」
鶚の舌に絡め取られ、吸われる流璃子の舌。流璃子の呼吸が切なくなる。
流璃子の両手は覆いかぶさる鶚の肩に当てられ、押し返そうとしているが、不思議に力が入らない。
流璃子は瞳がうっとりと閉じられていくのを止めることができない。鶚の掌が、指が、流璃子の髪
を、頬を、首を、鎖骨を優しくなぞり始める。
鶚の唇はなおも流璃子と一つに重なり、二人の舌は淫らな鬼ごっこを続けている。
鶚に舌を吸われ、流璃子の唾液が吸い尽くされる。
今度は鶚の唾液が流璃子の口腔に送り込まれていく。飲まされる流璃子の喉が妖しく動き、鶚が笑
みを浮かべる。
濃厚なディープキスに正気を失っていく流璃子。鶚の手が器用に動き、流璃子の覆う衣を全て奪っ
ていく......

流璃子のネグリジェがベッドの下に落ちる。いつの間にか二人は生まれたままの姿になっている。
流璃子の抵抗が完全に失われたのを見計らって、鶚が唇を離す。流璃子の呼吸が荒い。胸が大きく
上下する。
流璃子の瞳は何かに耐えるようにきつく閉ざされている。
そんな流璃子の表情を眺めて薄く笑うと、鶚の唇は流璃子のうなじを這い始める。流璃子の肢体が
一瞬震える。
「あッ......」
流璃子の両腕が鶚の顔を押しのけようとするが、たちまち鶚の両手に絡め取られ、頭の上で一つに
押さえつけられる。
「き、鶚さん......いや......や、やめて......」
鎖骨を滑る鶚の唇と舌。羽毛のようなタッチ。
「ふふっ、どうして?たっぷり慰めてあげるわ。心配しないで、女同士だもの。霊気を裏切ること
にはならなくてよ」
いたずらっぽく流璃子の耳に囁く鶚の唇。舌は流璃子の耳の溝に侵入する。耳たぶが甘噛みされる。
「ひあッ!...いや...み、耳は......」
「弱いんでしょう?そうだと思ったわ」
なおも囁きながら責める鶚の唇。熱い吐息に、流璃子が顔を仰け反らせる。
「んんッ......許してッ......はッ...ああッ...」
「......じゃあ、ここはどうかしら?」
鶚の顔が、大きく広げらた流璃子の腋窩に埋められる。
「あッ!......だ、駄目です鶚さん!そ、そこは......」
「とても綺麗よ流璃子...」
「嫌あッ...は、恥ずかしいッ...」
逃れようともがく流璃子。鶚の鼻が、唇が腋下をくすぐる。
「ふふっ...じゃあ、お姉様と呼んだら許してあげる...」
「き、鶚さん?...あッ...や、やめて...」
左手で流璃子の両腕を封じている鶚。右手が流璃子の左の乳房に伸びる。やわやわと揉み始める。
「気持ちいいでしょう?ちゃんとお姉様と言わないと......」
不意に鶚の指が流璃子の乳嘴を摘み、捻る。
「あうッ...や、やめて鶚さん......!」
「流璃子。きちんとお願いなさい...!」
「あッ...お、お願いです、お、お姉様ッ...」
「そうよ。いい子ね、流璃子は。」
鶚の指が優しく流璃子の乳嘴をなぞる。羽のような微妙なタッチに、流璃子の乳嘴がみるみる硬く
尖っていく。
「まあ。なんて感度がいいの......やっぱりいつも自分でいけないいたずらをしていたのかしら......」
くぐもった声で揶揄しながら、鶚の唇が流璃子の右の乳房を這い上り始める。真紅の唇の狭間から
は桃色の舌が覗き、共に流璃子を責めていく。
「んふッ...お、お姉様...許してッ...許して下さい...」
鶚の唇が流璃子の乳嘴を捉える。甘く含まれ、舌先に翻弄される。
「ふふっ...こっちも硬くなったわよ、流璃子...」
「ああッ...す、吸わないで、お願い...!そんなことされたら、私...私......」
同性の責めを受ける切なさに、流璃子の声はうわごとのようになっている。

鶚は上半身を流璃子に重ねる。両の乳嘴を流璃子のそれと密着させ、くなくなと動かす。
「あッ...はあんッ...お、お姉様ッ...」
「うふっ...気持ちいいわよ、流璃子...」
快感に喘ぐ流璃子を見下ろす鶚の額にうっすらと汗が滲む。
「私のも吸って頂戴......」
鶚が自分の乳房を流璃子の唇に近づける。既に快感に酔わされている流璃子は、ためらうことなく
鶚の乳嘴を含み、舌で転がし始める。
「はッ...はあんッ...ああッ...いい...も、もう...流璃子ったら...生意気ッ...」
鶚の声が上ずる。
「もう...お仕置きよッ!」
ようやく乳房を引き離した鶚。唇が、舌が、流璃子の鳩尾に、脇腹に、臍に、ゆっくりと吸い付い
ては、滑り落ちていく。
その度に流璃子の唇は妙なる喘ぎを漏らす。
やがて、鶚の顔が流璃子の秘苑に到達する。流璃子の膝を割って、入り込む鶚の肢体。鶚の吐息を
花園に感じ、漸く流璃子が事態に気付く。
「あッ、だ、駄目ッ!...お願いッ...それだけは許してッ...」
「いいじゃない。もっともっと気持ち良くしてあげる......」
「嫌ッ、嫌ですッ!...ああッ!...お、お姉様...!だ、駄目えッ...」
鶚の唇が可憐な桃色をした流璃子の淫唇を捉える。流璃子の体が大きく仰け反る。
「何よ、流璃子。もうぐっしょりじゃない...本当にエッチな体なんだから...」
太腿に腕を絡めて固定し、流璃子の秘芯をじっと見つめる流璃子。猫の瞳が妖しく輝く。
指が流璃子を開いていく。喉を鳴らして秘密の泉を貪る鶚。淫らな音が大きく響き、流璃子の喘ぎ
は悲鳴に近くなる。
「あひッ...くうッ...はああんッ...ふあッ...もう、もう...許してッ...お、お姉様ッ...」
上気した顔を左右に振り、懸命に耐える流璃子。両手の指がシーツを掴み締める。
「はッ...ああんッ...も、もうッ...私ッ...私ッ...ああッ...!」
桃色の肉芽を見つけられる流璃子。鶚の舌が素早く絡め取る。流璃子の腰がびくんと弾け、背が弓
なりに仰け反る。
なおも責め立てる鶚。唇が秘蕾を強く吸う。
「ああッ!...い、いきそうッ...!」
「ふふっ...だめよ流璃子、一人で行っちゃ。さあ、お姉様にも奉仕なさい...」
鶚が体を入れ替える。シックスナインの姿勢。流璃子にそんな知識はないが、さすがにその体位の
淫らさに気付き、顔を耳まで赤らめる。
「そ、そんな...お、お姉様ッ...は、恥ずかしいッ...」
「さあ、私のも食べて、流璃子。一緒に気持ちよくなりましょう」
流璃子よりも赤みの強い鶚のその部分は、既に十分に濡れている。徐々に流璃子の顔に近づけられ
る。
「そ、そんな、私...ど、どうしたらいいの...?」
「もう、仕方ないわね、流璃子。私と同じようにやってみなさい...」
鶚が再び流璃子に顔を埋める。鶚の唇と流璃子の秘唇が一つに重なる。
「んあッ!...はああッ!」
思わず仰け反る流璃子の顔に、鶚の秘苑が押し付けられる。理性が吹き飛び、無我夢中で口付ける
流璃子。
「あッ!...そ、そうよッ流璃子ッ!...し、舌も使って...んんッ!...そうッ...あんッ...じょ、上手よ
...」
鶚の声が再び上ずる。余裕をなくす。
体を重ね、絡み合う二人の女。上下から淫らな音を響かせるその姿を、ベッドランプが淡く照らす。

「んんッ...る、流璃子ッ...、も、もうッ...生意気いッ...!」
「あッ...ああんッ...お、お姉様ッ...!」
二人の女が手を取り合って頂上を目指す。淫らな合奏が一層高まる。
「ふあッ...ああッ...こ、このままじゃあッ...んふッ...も、もうッ...!」
「ああッ!...お姉様ッ...お姉様ッ!...わ、わたしッ...!」
唇と舌の指。互いの動きが一層昂揚していく。二人の喘ぎ声も切迫していく。
「お、お姉様ッ!...わ、私ッ...もうッ、もうッ...行くッ...行きますッ...!」
「る、流璃子ッ!...んあッ...わ、私もッ!...ねえッ...い、一緒にッ...!」
切羽詰った声を上げ、仰け反る二人。最期の力で愛撫を続ける。
「あッ...ああッ...い、行くッ...流璃子ッ...!」
「!...い、行きますッ...お姉様あッ......!」
二人の体がびくんと弓反り、硬直する。最高潮のエクスタシーに、瞬間、全ての音が止まる。
「ああんッ......!」
「あはあッ......!」
ため息のような熱い声とともに、二人が崩おれる。高い動悸と荒い息遣いが部屋を満たしていく...
...

「素敵だったわよ、流璃子。」
二人が横たわるベッド。鶚の腕が流璃子の体を抱きかかえる。流璃子は鶚の肩に頭をもたせかけて、
快感の余韻に浸っている。
「どう?堪能したかしら?」
「い、言わないで...恥ずかしいです...」
先ほどまでの痴態を思い出したのか、きゅっと目を閉じて、頬を染める流璃子。
そんな流璃子を愛おしそうに見つめる鶚の瞳が、またもや猫の瞳に輝くなる。
「あ......?も、もう......仕方ないわね......」
不意に戸惑ったような鶚の声。
「ねえ、流璃子......」
優しく流璃子の乳房を撫でていた鶚の腕が、流璃子の手首をそっと捉える。
「......?」
ゆっくりと導いていく鶚の手に、問いかけるような表情をうかべる流璃子。不思議そうに小首をか
しげる。
やがて、流璃子の細い指が灼熱した剛棒に触れる。
「えっ...!?」
反射的に手を引こうとする流璃子。だが、手首をつかんだ鶚の手がそれを許さず、強引に引き戻す。
「こ、これは...?」
再び熱いものに触れさせられた流璃子の指がおののく。
それは鶚の股間から屹立していた。
「ふふっ...驚いた?流璃子...。さっきの二人のエッチでね、彊良が目覚めちゃったみたいなの......」
驚愕の表情で鶚を見上げる流璃子。
「私は彊良と二人で一人......。私の中の彊良が、今ここに集まっているの...。こんなことは初めて
だわ...ね、彼の脈動を感じるでしょう?」
「い、いや...お願い、手、手を...」
鶚の指は流璃子の手首を掴んだまま、脈打つ肉棒を握らせ続けている。
「やっぱり、彊良は最初に見たときから流璃子に気があったみたいね。妬けるわ...。でもいいの。
今の私は彊良と一体だもの。彊良の望みは私の望み......」
再び身を起こした鶚が、流璃子に覆いかぶさる。
「ね、いいでしょう、流璃子?彊良の想いを受け入れて......」
「そ、そんな...!駄目っ、駄目ですっ!!」
慌てて起き上がろうとする流璃子。しかし鶚に肩を抑えられ、再びベッドに沈み込む。鶚の指が流
璃子の指に絡まり、両手が縛められる。鶚が体全体でのし掛かり、下半身を密着させる。流璃子の
下腹部に熱い猛りが押し付けられる。悲鳴をあげる流璃子。
「ひッ...!い、いやあッ...どいて、どいてください...!お、お姉様...!」
「ごめんなさいね、流璃子。今はあなたのお姉様じゃないの......」
少し悲しげな表情をする鶚。しかし次の瞬間、流璃子の唇を奪いながら、足で流璃子の膝を割りに
かかる。
先ほどとは全く違う鶚の荒々しい動き。
「むッ...?んんッ...い、いやあッ、鶚さんッ...むむッ...んむうッ...」
鶚の唇から逃れようとする流璃子だが、執拗な追跡により再び唇が塞がれる。
唇の攻防でおろそかになる流璃子の下半身。それを待っていた鶚は、易々と膝をこじ開け、体を入
れてしまう。
「うふふっ...さあ、流璃子。私たちを受け入れて......」
「い、嫌ですッ...!ああッ...!や、やめて...!」
秘裂に押し当てられた獣欲の猛り。流璃子が激しく抵抗する。
鶚の腕が流璃子の手を解放する。が、すぐにそれは流璃子の両の太腿を抱え上げ、素早く自分の肩
に乗せる。高々と掲げられる流璃子の白い脚。両腕は、再び流璃子の腕を押さえ込み、抵抗を止め
る。流璃子は最後の姿勢を取らされる。

「さあ、入るわよ、流璃子...!」
「いッ、嫌ですッ...ああッ、ま、待ってッ...ねえッ...お、お姉様ッ...ああああッ!!」
彊良が侵入していく。高々と掲げられた流璃子の両脚がびくんと震える。流璃子が首を大きく仰け
反らせる。
「ああッ...入ってるッ...入ってるのッ...!彊良が...私が、流璃子の中に...!!」
初めての経験、初めての感覚に、思わず鶚の声も高く上ずる。海老のように体を折り曲げられた流
璃子が苦しげに喘ぐ。
「ああッ...い、いやッ...抜いてッ、抜いてくださいッ...んあッ...はあッ...!入らないでえッ...!」
深々と流璃子の中に欲棒を埋め込んだ鶚は、両肩に乗せていた流璃子の脚を解放する。
「す、すごいわ、流璃子...これが流璃子の中なのね...こんな感覚、初めて...」
感動に震える鶚の声。やがてぎこちなく体をスライドさせ始める。
「んんッ...だ、駄目ッ...動かないでッ...ああッ...!」
左手の指を咥え、声をだすまいとする流璃子。背中を滑らせて上に逃れようとするが、流璃子の両
腋の下から回した鶚の腕が、かっちりと流璃子の肩を抑える。
「...こ、これが...お、男の感覚なのねッ...たまらない征服感...ああッ...こんなにも流璃子が愛おし
いなんて...!」
鶚の指が流璃子の髪をかきあげる。情熱的なキスが流璃子の顔中に降る。
「んあッ...、お、お姉様ッ...はッ...はあッ...ああんッ...!も、もう許してッ...」
上気した顔を左右に振って哀願する流璃子。
しだいに滑らかになる鶚の動き。大きなグラインド。
流璃子の秘裂はしっかりと彊良を包み込み、肉襞が熱く締め付けていく。
「す、素敵よッ、流璃子ッ...そ、そんなにしたら私...ああッ...」
息遣いを荒くした鶚が、流璃子のうなじに顔を埋める。頬と頬が触れ合う。
「ああうッ...んあッ...お姉様ッ...お姉様ッ...!」
「一点に集中する快感...これが男...流璃子、あなたの喘ぐ顔が愛おしいわッ」
流璃子の唇を、鎖骨を、乳房を、鶚の唇が蹂躙していく。やがて、鶚が昂ぶっていく感覚に気付く。
「くうッ...こ、この感覚...こ、これが...お、男の絶頂なの...?」
鶚の律動が激しくなる。一層高まる流璃子の喘ぎ。
「い、いきそうッ...ね、ねえッ...流璃子ッ...いっても...いっても、いいッ...?」
「えッ...?だ、駄目ですッ...抜いてッ...抜いてくださいッ...!あ...?ああんッ...!」
ひねりを加えた鶚の腰使いに、たまらず流璃子は喘ぐだけになる。
「ふふッ...そんなこと言わないで...いいでしょう?...いくわ、流璃子...流璃子の中で...。彊良の...
私たちの精を...受け入れて頂戴ッ...!」
「ああんッ...いやッ...お、お願いッ...、中は...中だけは許してッ...はあああんッ...!」
流璃子を見下ろす欲望にたぎる鶚の目。肉食獣の瞳。
(...猫...?ちがう...あ、あれは...虎...虎の瞳だわ...)
流璃子の理性の最後の呟き。しかし、虎の動きが全ての理性を消し飛ばす。
「い、いくわッ...流璃子ッ...流璃子ッ!...うッ...ううああッ...!!」
初めての射精感。注ぎ込む強烈な快感に鶚が体を仰け反らせて喘ぐ。。
「い、いやあああああーッ!!」
夥しい射精を胎内に感じ、流璃子も一気に上り詰める。
(......だ、駄目って、言ったのに...また汚された...汚されちゃったの...れ、霊気...私は、私はどう
したらいいの......)
忌まわしい汚辱感が、流璃子を狂おしい絶頂に運んでいく。腰から背骨を伝わった快感が、延髄で
弾ける。
「ああああッ...いくッ...いっちゃうッ...!!」
流璃子の両足が、鶚の腰に絡みつく。まるで最後の一滴までねだるように締め付ける。
「おおおうッ!......流璃子ッ!流璃子ッ!」
鶚の腰がくいっくいっと小刻みに動き、最後の抽入を行う。最後の一滴まで絞り尽くし、送り込む。
あまりの快感に流璃子が白目を剥く。流璃子の爪が鶚の肩に食い込んでいく。

「はあああ...流璃子...受け止めてくれたのね、私たちの精を...」
愛おしそうに囁く鶚。そのまま流璃子の上にかぶさり、抱き締める。
「大丈夫...霊気には内緒にしておくから...」
流璃子に囁く鶚。ぴたりと密着した二人。
「いや......いやあ......お、お願い、早く抜いて......」
涙に霞む流璃子の瞳。弱弱しい訴えを鶚は聞こうともしない。
「どう?二人に愛された感想は......あなたも初めてでしょう......」
流璃子の胎内で脈動を続ける彊良が、再び流璃子の中で猛り始めようとしている。
「うふふっ...もう、彊良ったら...流璃子...今夜は眠れないわよ......」
鶚の妖しい笑みが、流璃子を凍りつかせる。

二人の夜は、いつ果てるともなく続く......

(了)

1