BRさん

題名:「はじまりは、いつも雨」

「はじまりは、いつも雨」 急

ぬぷりっ!

最後の1匹は、熱き奔流を流璃子の中に大量に注ぎ込むと、
まるで内臓ごと引きずり出すかのように、
流璃子の菊花を痛々しいほど割り開き深く突き刺さったままの熱棒を
ゆっくりと引き抜いた。
「んん」
両手を床に突き四つん這いで、しかも、爪先立ちしなければならない程
尻を突き出した格好で犯されていた流璃子は、
腰を掴んでいたデビルサイダーの手が放されると、
体重を支えきれず、そのまま床に崩れ落ちていった。
「ぅっふっ!」
処女で、しかも男性との秘め事に関する知識に疎い純な心が受け止めるには
あまりに過酷すぎる出来事と、おぞましい痛みを伴う刺激に、
流璃子は放心状態に陥り、ほとんど意識を失いかけていたのだが、
倒れ込んだ時、床に顔と胸をぶつけ、その衝撃が不幸にも、
流璃子の精神を呼び戻してしまう。
そのまま気を失い、幾ばくかの時間が経った後なら、
自分の身に起きた凄惨な現実を受け止め、まだ堪えられることが出来たかもしれない。
だが、流璃子が意識を取り戻したのは、下卑た笑い声と、蔑みの視線が渦巻く、
残酷な陵辱劇の熱がまだ覚めやらぬ舞台の上だった。
それを指す言葉を言うのも恥ずかしい自分の体の中で
最も汚い部位を4匹デビルサイダーに、
代わる代わる犯し尽くされたという悪夢のような記憶を心と体に刻み込まれ、
それがまだ癒えずに鮮烈な痛みとして残っている流璃子は、
床に打ち捨てられたかのように横たわり、
鈍く、そして、ジンジンとした響きを感じる臀部の中心を手で抑えながら
体を丸くして、すすり泣き始めた。
「ヒック、ヒック、くすん。くすん。」
欲望の丈をブチまけ、すでにズボンを穿き直している4匹のデビルサイダー達は、
それを見て、流璃子に意識があることを確認し、互いに頷き合いと、
まるで舞台の主役に花を贈るかのように、
汚れた自分の分身を拭いたティッシュを流璃子の目の前に転がし、
その白き屈辱の花束で流璃子をより惨めに演出する。
『どうして私がこんな目に、魔王の血を引いてるから?
私はただの普通の女の子として生きていきたいのに、
何でこんな目に合わなきゃいけないの。』
流璃子は、内に秘めたる力や血筋のため、
幼い頃から迫害され続け、まるで人々から逃げる様に生きてきた。
それでも、落ち込むことは合っても、その境遇に耐え、必死に頑張って生きて来たが、
今日起きたこの凄惨な出来事は流璃子の心を粉々砕き暗い深淵へと落としていった。
『夢だよね。これは夢だよね。ねえ誰か夢だと言って!
夢だと言ってよ! ねえ! ...あぅぅ、グス、グス、ヒック...
...助けて。誰か助けて。霊気ぃ、お願い霊気。助けてぇ! 霊気ィィィ!』
流璃子はあまりのショックに、
今まで心の支えにして生きてきた大切で素敵な思い出をくれた愛しい霊気に助けを求め、
心の中で、この場にいる筈の無いその名を叫び続けるのだった。

ベルゼバブは、自分が仕組んだ陵辱劇へ目をやらずに、
ずっと読み続けていた恋愛小説を読み終えると、
椅子代わりにしていたベッドから立ち上がり、無様に床に転がる流璃子の顔を覗き込む。
「どうですか? 流璃子さん。今のご気分は?
  少しは自分の身の程を、そして、私たちの恐ろしさが分って頂けましたか?」
「...」
心まで嬲り尽くされた今の流璃子には、その問い掛けに答える気力などある筈も無く、
ただ、ベルゼバブから視線を逸らすことしか出来なかった。
そんな流璃子の反応をベルゼバブは鼻で蔑み笑うと、
突然、流璃子の体を念力で持ち上げ、
まんぐり返した格好にさせて、秘部を目の前に来させた。
「キャッ!」
大きく股を開き、自分の大事な部分や汚い部分を相手に突き出して見せつける様な、
今までしたことが無い恥ずかしい格好をさせられ、
流璃子の顔は一瞬にして真っ赤に染まる。
流璃子は慌てて、愛する人にも、あまり見られたくない秘密の部分を隠そうとするが、
ベルゼバブの強力な念力によって、
手足が、まるで空中に縛り付けられたかのように全く動かず、
ただ、恥ずかしい部分を明るい照明の下に無防備に晒したまま、
僅かに腰と頭を振って、もがき苦しむことしか出来なった。
『嫌ッ! 恥ずかしいぃ! こんな格好ヒドイ!
  あぁぁ見ないで、そんなに見ないでェ!
  お願い動いて、動いてェ! 
  ヤダよぉ! 恥ずかしいよぉ見ないでェ~~!』
ベルゼバブは、諦めずに何とかして隠そうと必死にあがく流璃子の姿を楽しみながら、
白く丸い臀部を舐める様に観察し、
「ホホホホ! 貴方のココ、だらしない程緩み、
  中から精液をコポコポと溢れ出させていますよ。流璃子さん、貴方も見ますか?」
更に手鏡を取って流璃子にも見えるようにその部分を映す。
もちろん、そんな自分の惨めな様子など見たくなかったが、
ベルゼバブに言う事に逆らえば、更に恥ずかしい目に合わされることを
嫌と言う程思い知らせている流璃子は、控え目に横目で手鏡へ視線を送っていく。

そこに映し出されていた光景は、あまりに はしたなくイヤらしい物で、
流璃子は自分の物で無い様な気さえした。
そして、同時に自分の体に起きている恥ずかしい異変に気付く。
『そんな!どうして?』
限界まで足を広げさせられたため僅かに開き覗けた淫裂の中は、
ベルゼバブに指で弄くられた時よりも、淫らな汁に濡れて弛んでいたのだ。
『何故? なんで? どうして濡れてるの? こんなのウソよ!
  私の体どうかしちゃったの? 私、感じたりなんかしてない!
  こんなの嘘よ! 何かの間違いよ。』
このことは流璃子にとっても意外なことだった。
排泄器官への異物の挿入という責め苦は、流璃子に苦痛と恥辱しか与えなかった。
だが、それにも関わらず体は意思に反して、性的快感を覚えていたのだ。
流璃子は自分の体がオンナであることを痛いほど思い知らされ、
そして、そのことがうらめしかった。
ベルゼバブは流璃子の様子がおかしいことに気付いてか、
視線を臀部から淫部の方に移し、じっくりと見始めた。

『嫌ぁ~! そこは見ないでェ! そこをそんなにジロジロ見ないでェ!
  そんなに見られたら気付かれちゃう! お願い、気付かないで、気付かないでぇ~! 
  そんなことになったら私...私ぃぃ...』
「おやおや流璃子さんのここ、私が触った時から、大分経つのに、
  濡れたままじゃありませんか。それに、どうやら先程より熱く潤っているご様子で。
  ホッホッホッホッ! 口ではなんだかんだ言っても、
  体の方は排泄器官を弄ばれているのに悦び、しっかり感じていたのですね。
  それとも嫌がっているのは芝居で、
  本当はこういう状況を愉しんでいたのですか? 恥ずかしい人ですね。
  魔王様の高貴な血を引く者ともあろうお方が嘆かわしい。」
ベルゼバブに恥丘を指で突付きながら小馬鹿にする様に鼻で笑われて、
そう吐き捨てられると、
「違う、違うわ。私そんな女じゃない。」
流璃子はまるで自分に言い聞かせる様に叫んだ。
それを聞き、ベルゼバブは更に卑しく笑うと、流璃子の中に2本の指を深く挿し入れ、
秘肉の壷を数回乱暴にこねくり回した。
「イッ! アウゥ! 痛い~!」
そして、ぬめり気のある汁で濡れたその指を、流璃子の眼前に運ぶ。
「それでは、これは何なのでしょうか?
  どうして私の指が汚れているのか教えて頂けますか? 流璃子さん?」
「それは...」
恥かしい程オンナの匂いを撒き散らす、感じていた証拠を見せ付けられて、
流璃子は何も答えることが出来なくなり、
ただ顔を悲壮感漂う哀れなものにさせるだけだった。
「どちらにせよ、後ろの穴で、しかも初めてで感じるなんて、
  貴方には淫乱どころか、マゾの素質も十分にありますよ。
  これは、たっぷりと教育しなければなりませんね。
  今から、とても楽しみですよ。ホッホッホッホッホーッ!」
『悔しいぃ! 悔しいよぉ! 恥ずかしいよぉ!
  なんで? どうして私の体、感じちゃうのよぉ!
  どうして濡れちゃったのよぉ?
  こいつが言う様に、私、本当に淫乱なの? マゾの素質があるのぉ?
  そんなのヤダよぉ。恥ずかしいよぉ、恥ずかしすぎるよぉ!』 
「ウッウッウッ...」
流璃子は涙で溢れる瞳をきつく閉じ、
ベルゼバブと、自分の見っとも無い淫らな部分から顔を背ける。
自分の体に起きた信じ難き恥辱的な変化に流璃子の心は深く傷付き粉々に砕かれていたが、
ベルゼバブの責めは、まだ終わらなかった。

「ほら、何とか言ったらどうですか?」
パシーン!
「あぅぅ!」
ベルゼバブの冷酷さを感じる台詞の後、破裂音にも似た大きな音が鳴り響き、
それと同時に流璃子の柔らかく弾力のある臀部に鋭い痛みが走る。
目を閉じていたが、流璃子はすぐに尻を叩かれたのだと分った。
そして、この浅ましいことをしてくる憎き陵辱者を睨みつけようと開いた瞳に、
手を高く振りかざし2発目の準備体勢を取っているベルゼバブの姿が映る。
「嫌ッ待っ!」
パシーン!
「キャウ!」
流璃子の臀部の肉が波打ち、屈辱が体中に広がっていく。
「そら、何とか言いなさい!」
パシーン!
「ハゥッ!」
べルゼバブは、様々な感情により体を震わす流璃子に気を止めず、
次々と平手を流璃子の美しい形をした2つの柔肉に打ち付けていった。
「ホホホホッ。流璃子さん。叩くたびに貴方の締まりの無いお尻の穴は
  獣汁を噴き出していますよ。なんて賎しい光景なんでしょう。
  霊気さんや、貴方を産んだご両親にも見せて差し上げたいですよ。ホラ。」
パシーン。
「ヒィン。イヤー言わないで、アフゥー! 言わないでェー!」
大切な両親や、愛する霊気の名を出されたことにより、
恥ずかしさが何倍にも膨れ上がり流璃子の心を深く傷つけていく。

10分程叩き続け、流璃子の反応を十分に愉しんだベルゼバブは、
猿のように赤く張れた流璃子の臀部を撫でながら、
念力で逆さに吊り上げたままの流璃子の無様な姿を眺めていた。
「ウッウッ...ヒック、ウック...お願いです。くすん。
  お願いします。ベルゼバブ様。もう、おろして下さい。
  もう、こんな恥ずかしい格好耐えられません。」
痛みと恥じかしさに心が屈服しかかっている流璃子は、
目を閉じたまま、自分をここまで貶めた憎きベルゼバブに乞い願った。
「クス!」
ベルゼバブはそれを聞き、顔を負け犬のもののようにさせて泣く流璃子に
満足そうな笑みを一瞬浮かべると、
何も言わずに、いきなり念力を解き流璃子を床へと落とす。
流璃子は突然の事に受身も取れず、引っくり返ったままの格好で、
首から床に叩きつけられてしまう。
「アゥ! グフッ!」
そして、ベルゼバブは、尻だけを上げた哀れな格好で床にへばり付く流璃子に、
思いやる気持ちが全く感じられない冷淡な言葉を投げ掛ける。
「少しは、自分の立場が分りましたでしょうか?」
流璃子は両腕を使ってゆっくり上半身を起こし、横座りのまま体をベルゼバブに向け、
そして、一瞬ベルゼバブと目を合わせた後、
うな垂れるかのように深々と頭を下げて懇願した。
「お許し下さい。ベルゼバブ様。申し訳ありませんでした。
  ですから、もう苛めないで下さい。お願いします。」
ベルゼバブは土下座する流璃子を見下ろし、鼻で笑うと、
足の爪先を、流璃子の顎の下に入れて顔を起こさせ、
惨めなほど弱々しい表情を浮かべる流璃子と目を合わさせる。
「それは身も心もデビルサイダーになり、私の下僕になるって事ですか?」
流璃子は黙ってコクリと肯く。
「ホッホッホッホーッ!
  大人しくなるとなかなか可愛いらしい顔をしますじゃないですか。
  いいでしょう。私たちの仲間に、いえ、私の牝奴隷になることを許しましょう。」
これから自分はどんな扱いを受けるのか分かっていたが、
改めて『牝奴隷』という言葉を言われ、
流璃子は胸が握りつぶされそうな痛みと不安を感じ、顔を蒼くする。
ベルゼバブはその変化を見逃さず、口元に笑みを浮かべながら、
「クス。それではこれでも着てもらいましょうか?」
そう言い、骸骨を模したグロテスクで、ある種、卑猥なイメージがあるブラジャーとブーツ、
そして、山羊の頭骸骨のような前あてが股間の所に付いたパンティーを流璃子に渡した。

「今の貴方にピッタリの素敵なデザインでしょう?」
これらを着た自分の姿を想像し、流璃子は、あまりの見っとも無さに、
恥ずかしさと悪寒を感じ、渡された服を見つめたまま固まってしまう。
ベルゼバブは流璃子が予想通りの反応を示したのを確認すると、
更に恐ろしく、また恥辱的な事実を流璃子に告げるのだった。
「それと、このパンティーにはちょっとした細工がありましてね。
  一度穿くと、私が魔力を途絶えさせない限り、
  縫い付けられたように肌に張り付き脱ぐことが出来ず、
  また、破れてもすぐに復元するようになっているのですよ。
  つまり、貴方はもう私に頼まなければ、体を洗うことはおろか、
  おトイレに行くにも私にお願いをしなければならなくなるのですよ。
  ホッホッホッホーホッホッホッ!」
「そんな...、そんな酷い...。お願いです。ベルゼバブ様。お許し下さい。
  こんな恥ずかしい服着れません。」
流璃子はベルゼバブの足元にしがみ付くように必死に乞いすがるが、
「嫌なのですか? どうやら、まだ教育が足りなかったみたいですね。」
ベルゼバブの静かな怒りを感じるその台詞を聞いた瞬間、震え上がり、
「も、申し訳ありません。着ます。着させて下さい。
  だから、お許し下さい、お助け下さい。ベルゼバブ様。」
すぐ様、そう何度も謝りながら慌てて立ち上がってブーツを履き始めた。
「ホホホホ。初めから大人しくそうしていればいいのですよ。」

流璃子はブーツ、ブラの順に着ていき、
最後のパンティーに片足を入れた所で動きを止める。
どんなに悔しく思おうとも、今はベルゼバブの言いなりになり、
この恥辱のパンティーを穿くしかない。
だが、頭で分っていても、これから、どんな生活が待ってるのか思うと
体がピクリとも動かなくなってしまったのだ。
『これを穿いたが最期、私は、すべての人権を奪われ、
  おトイレも自分の意思で出来ない、こんなおぞましい奴のペットして、
  生きていかなければならなくなってしまう。
  やっぱりそんなの耐えられないよ。誰か今すぐ私を助けて?
  お願い? 助けて霊気! 助けてぇぇ!』
流璃子は、この絶望的な状況に立たされても、いや、絶望的な状況だからこそ、
誰かが助けに来てくれるかもしれないという淡く儚い希望を抱き、
そして、また、ただ純粋に、
体も心も醜悪な者達に汚されてしまった惨めな自分の秘部や臀部を、
パンティーを穿く前に、綺麗にしたいという気持ちもあって、
どうしても、それを身に付けることを出来なかった。

「どうしました? 流璃子さん。
  早く着なさい。まだ私達に楯突くつもりなのですか?」
ベルゼバブは、躊躇って動かない流璃子に少し苛立ちを感じながら問い質す。
「いえ...そんなつもりは...申し訳ありません。...ただ...」
「ただ?」
「ただ...パ、パンティーを穿く前に、体を綺麗にさせて頂けないでしょうか?」
流璃子は、顔を真っ赤に染めて、おずおずと小声でゆっくり答えた。
こんなことも頼まなければならないことが悔しく、
また、これからは、もっと恥ずかしいこともお願いしなければないかと思うと、
流璃子は、ただそれだけで、涙が溢れ出そうになった。
「それは、ザーメンや貴方のやらしい汁で汚れた
  お尻の穴とオマ○コを洗いたいということですか?」
ベルゼバブが、ワザと卑猥な言葉を使って意地悪く確めると、
「...は、はい...」
流璃子を俯いた顔を僅かにコクリと肯かせ、
聞き取れないほどの小さい声で呟くようにそう答えた。

「ホホホホ、素直で、なかなか良い心がけじゃないですか。もちろん、宜しいですよ。
  そういう風にお願いして頂けたら、喜んでして上げますよ。
  それでは、お尻をこちらに向けて突き出して下さい。」
「エッ!」
流璃子は、ベルゼバブの予想外の反応と言葉に、悲鳴にも似た驚きの声を上げる。
ベルゼバブは対照的に冷静に何食わぬ顔で、側にいる部下のデビルサイダーから
水が入ったバケツと雑巾を受け取り、ゴム手袋をつけ始めた。
「どうしました? ほら、早く四つん這いになって尻を高く上げなさい。」
流璃子は、やっとベルゼバブが何をしようとしているか、はっきりと分かった。
「...あ、あの...」
「何ですか? 流璃子さん」
逆に今度はベルゼバブが不思議そうに流璃子を見つめると、
「あの...私は洗って頂くのでなく、自分で洗おうと思っているのですが?」
流璃子はベルゼバブを怒らせない様、様子を見ながらモジモジと答えていった。
「ええ分っていますよ。でも貴方があまりに素直で可愛いから、
  私自ら洗って差し上げようと思いましてね。
  それに普通ペットは自分で体を洗わず、飼い主が洗うものでしょう?ホホホホ。」
『そんなぁ...』
それを聞き、流璃子は惨めなほど顔を歪ませ、
許しを乞うように上目遣いにベルゼバブの顔を見つめるのだが、
それを見たベルゼバブの表情が一瞬にして険しくなる。
「何ですか?! その目は! 私に体を洗われるのが嫌だと言うのですか! 流璃子さん?!」
「いえっ! 違います。そういう訳ではありません。...ただ...そう!
  ベルゼバブ様のお手を煩わすのは申し訳なくって...」
流璃子は、ベルゼバブの気分を害したのが分ると、
慌てて、心にもない言い訳でご機嫌を取ろうとする。
「まあまあ、なかなか可愛いこと言う様になったじゃないですか。
  貴方はそんな気を使わなくて言いのですよ。ちゃんと綺麗にして差し上げますから、
  早くお尻をこちらに向けて四つん這いになりなさい。」
ここまで来たら、もう、流璃子は覚悟を決めるしか無かった。
屈辱と恥ずかしさに体を小刻みに震わせながら、言われた通りの格好を取り始めていく。

『恥ずかしいぃ。恥ずかしいよぉ。
  なんで、こんな恥ずかしい格好しなくちゃいけないのぉ?
  なんで、こんな目に会わなきゃいけないの?
  もうこれ以上堪えられないよ。このままどっかに消えちゃいたい。』
流璃子は逃げ出したいという衝動を必死に押さえ、手足をガタガタと震わせながら、
ベルゼバブから言い渡された恥辱の姿勢を取り続けた。
いくら、これしか道が無いとはいえ、自らの意思で恥ずかしいポーズを取り、
憎き敵に大事な部分を洗って貰うのを待っているのだと思えば、思うほど、
流璃子を苦しめ、心が今にも引き裂かれそうになる。
ベルゼバブは雑巾を手に取ろうともせず、流璃子のその様子を愉しんでいた。
『なんて人なの。こんな恥ずかしい格好をさせた上、
  その様子を観察するなんて。ヒドイぃ。
  こんな格好もう続けられない。早く終わらせてぇぇ!』
流璃子は振り返り、哀れな視線をベルゼバブに送る。
「お願いです。ベルゼバブ様。早く拭いて下さい。」
「はいはい、分っていますよ。ちゃんと綺麗に拭いて上げますから安心して下さい。
  でも、その前にちょっと拭きづらいので、
  足をもう少し開き、お尻ももっと高くして突き出して頂けますか。」
「くっ...はい。」
流璃子は、ますます恥ずかしい格好になることは分っていたが、
逆らわず、言われるままの素直に足を動かしていった。
逆らうだけ無駄だと思っていたのもあるが、それ程までに早く終わらせたかったのだ。
「それじゃあ拭きますよ。」
ベルゼバブは完全に自分の操り人形になった流璃子に満足そうな笑みを浮かべた後、
たっぷりと水を含ませた雑巾を流璃子の股間に当てて、ゆっくりと拭き始める。
秘部から冷たさと口惜しさが伝わり全身を駆け巡っていくのを感じ、
流璃子は涙をポロポロと溢れさせるのだった。
「流璃子さん、貴方のここ拭いても拭いても精液が溢れてきますよ。
  可愛そうに、こんなにされてしまって...。
  ちゃんと綺麗にして差し上げますから、遠慮せず踏ん張って、
  体の中に溜まった精液をひり出していいのですよ。ホホホホホ!」

......。

「ほらっ、綺麗になりましたよ。」
ピチン!
「はぁん。」
ベルゼバブが終了の合図として流璃子の尻を軽く叩くと、
流璃子は崩れる様に床に倒れて込んでいき、
そして、憎き敵に自分の大事な部分を拭かれたことへの、
あまりの悲しさと悔しさに、そのまま動けず、打ちひしがれていた。
「何か言うこと忘れていませんか?」
ベルゼバブは口元に卑しい笑みを浮かべて、
床の上で小動物のように震える流璃子を見下ろしながら、
そう尋ね、更に追い討ちをかける。
流璃子は、すぐにベルゼバブが何を欲しているのか理解した。
それは流璃子が最も言いたくない屈辱的な台詞だったのだが、
なかば放心状態の流璃子はベルゼバブの方に涙で濡れる顔を向け
しおらしく頭を下げ、その台詞をこぼしてしまう。
「...ありがとうございました。」
流璃子は、この言葉を素直に言ってしまった自分に、更に深いショックを受け、
そして、もう自分一人の力ではこの凶悪な敵に
逆らうことすら出来ないのだと痛感するのだった。
「綺麗になりましたので、これで心置きなくこのパンティーが穿けますね。」
「...はい。」
「それでは、穿いて頂きましょうか?」
「...はい。分りました。」
流璃子は機械的に、また、ほとんど無意識にそう答え、
隷従の証とも言える、骸骨の前あてが付いた恥辱のパンティーを手に取り、
おずおずと立ち上がった。
流璃子のその落ちぶれた様を見た瞬間、
ベルゼバブは心の中で、歓喜と勝利の雄叫びを上げる。
『リリス。お前の可愛い娘は今や完全に私の玩具だよ。
  この無様な姿、お前にも見せてやりたいよ。ホッホッホッホッホーッ!
  まあ、そのお前も、テメエが勝手に親友だと思い込んでいる私の虚言を信じて、
  今は、食うしか能の無い豚野郎の娼婦の身だがね。
  親子揃って、この私に遊ばれて惨めだね~。ホホホホ、ホーホッホッホッホーーッ!』
天使として天界にいる頃から魔王に密かな思いを寄せているベルゼバブにとって、
魔王の妻として悠久とも思える永い刻を魔王と寄り添い愛されるリリスは、
憎悪の対象以外の何者でもなかった。
それ故に、ベルゼバブは幾度となくリリスを騙し貶めるのだが、
恨みが晴れることはあっても、心が満たされることはなかった。
それは、どんなにリリスを汚しても、魔王はそれ以上の深い心でリリスを愛し続け、
決して、自分に振り向いてくれなかったからであった。
しかし、今、霊気と言う、まだ会った事は無いが、魔王の血を色濃く引く男、
そう、自分を愛してくれるかもしれない魔王が、この世に生まれ出てくれたのだ。
ベルゼバブにとって、逃す訳にいかない、募り続けた思いを遂げられる最高の好機である。
だからこそ、幼い頃とは言え、その霊気と結婚の約束をし、
しかも、仇敵であるリリスの血を強く引く流璃子に嗜虐の炎を燃やし、
人を想う心や気持ちまでも、自分の思うがままに服従するまで、
流璃子を蹂躙し調教しようという腹積もりなのだ。
自分の計画が順調に進み、そして、仕上げが近い事に
ベルゼバブは悦びに心を打ち震わせるのだった。

流璃子は片足ずつパンティーの裾に通し、ゆっくりと引き上げていくのだが、
そして、太腿の中程まで上げた所で完全に動きを止めてしまう。
すでに、様々な責め苦に心が砕かれていたが、
人としての尊厳をすべて奪うこのパンティーを穿くことに
抵抗を感じ得ずにはいられなかったのだ。
「流璃子さん、どうしました。」
途中までパンティーを上げた体勢でピクリとも動かない流璃子に、
ベルゼバブが、苛立ち気味に問い掛けてくると、
流璃子は何も答えずに、ただ、弱々しく媚びた視線を必死に送るのだが、
「早く、穿きなさい。この私に逆らうのですか?」
返って来たのは、冷たい視線と残酷な命令だけであった。
『誰か助けて! 霊気助けて。
  私このままじゃ...もう本当に逃げることも逆らうことも出来ない
  恥辱の虜になってしまう。助けてェ! 誰かァ! 霊気ィ?!』
いくら、心の中で助けを呼んでも、
この魔物達から流璃子を救い出してくれる者は誰1人現れぬまま、
無情にも、パンティーの両端を持つ流璃子の手は腰まで上がってしまう。
その瞬間、流璃子は、首輪を付けられ脱出不能の檻に放り込まれた感覚を覚え、
敗北感と絶望感が、体の中を満たす。
そして、全身から力が抜け、深淵に沈んでいくように床にへたり込んでいった。

「あぁ...あぁ...うっ...うっ...くすん...」
首が折れたかと思う程、うな垂れた流璃子の顔から、悲しく惨めな嗚咽が聞こえ始める。
上半身を支える両手は、掻き毟るように床に爪を立てており、
また悔し過ぎてか瞳から涙が殆ど流れなかった。

ベルゼバブは、座り込んだままの流璃子の脇に立つと、
膝を付いて屈み込み無様な敗者の顔を隠す髪をかき上げ、
その顔を覗き見る。
「あらあら、泣いちゃって、嬉し涙ですか?」
流璃子は、無意識的に、勝利の笑みを浮かべるベルゼバブから逃げる様に
視線を逸らすが、それ以上、他に抵抗を示す気力はなかった。
すると、ベルゼバブは突然、流璃子の頭を押させ耳に濃厚なキスをしてきた。
「キャッ、ハァァン!」
流璃子は耳を舐められる不快さに身を捩り逃げようとするが、
しっかり抑えられていて、やらしいほど動き回るベルゼバブの舌からのがれられず、
ただ、無様にもがき苦しんだ。
そして、舌が離れる際、
耳の奥深くに何か異物を入れられる気味の悪い感触を覚える。
「嫌ッ! 何?」
「プレゼントですよ。」
その言葉に流璃子が、この恐ろしい敵に、また何か屈辱的なことをされたのだと気付き、
咄嗟にそれを取り出そうと、耳に指を運ぶが、
その瞬間、激しい耳鳴りと全身の神経を襲う鋭い痛みがそこから発せられ、
体をバラバラにされそうな苦しみに、流璃子は床の上を無様にのたうち回った。
「イヤァーー! 何ー? ハグゥーー! 止めてッ! 助けてッ!
  痛いッ! ヒィィィ! 苦しいィィ! 助けてェ! 
  お許し下さい! お許し下さい! ベルゼバブ様ァ?!」
「ホッホッホッホッホッ! 流璃子さん、
  もう耳に入ってるものを取とうとしないことを誓えますか?」
「誓います。誓いますから、お助け下さい。ベルゼバブ様?! はぐぁぁ!」
「ホホホ。いいでしょう。」
ベルゼバブの目が一瞬光ると嘘みたいに耳鳴りと痛みが消える。

「ハァ、ハァ、ハァ...な、何を、何をなされたのですか? ベルゼバブ様。」
流璃子は余韻で起き上げること出来ず床に横になったまま、
自分の体に起きた恐るべき異変の正体を尋ねる。
「ホホホ、それはですね。実は、先程、私の忠実な僕である蝿を1匹、監視役として、
  貴方の耳の中に入れさせて頂いたのですよ。
  その蝿には特殊な能力がありましてね。特殊なパルスを発することにより、
  耳に潜んだ相手の神経を刺激し様々な変化をもたらすことが出来るのですよ。
  もし、貴方が、その蝿を取り出そうとしたり、
  私達に逆らうかのような態度や意思を示したりしたら、
  今みたいに、全身に激痛を引き起こすパルスを送るよう命じてありますから、
  以後、気をつけるのですね。」
その説明を聞き、流璃子は、もうデビルサイダー達から逃れることが出来ないのだと悟り、
絶望に顔を床に伏した。
その反応に、ベルゼバブは更に顔をほころばせて、言葉を続ける。
「また他に引き起こす変化として...」
「はぅぅ!」
ベルゼバブの瞳がまた妖しく光ったか思うと、
今度は、流璃子の体中に淫靡な感覚が駆け巡り火照り始めた。
特に股間部分は燃えるように熱く疼き、
流璃子は両手で骸骨の前あての上からその大事な部分を抑えて悶え苦しみ、
体をビクビクと震わせた。
「きゃぅぅ、あはぁぁ、うぅん。あぁぁん! はふぅぅ...」
「ホホホホ。なんて顔ですか?
  見っとも無く顔を緩ませ、涎もダラダラと垂らしちゃって。
  見ているこっちが恥かしくなりますよ。」
「ひぃぃん。お願いします! 止めて下さい! アヒィィ!
  もう堪えられません! おかしくなっちゃうゥゥ! ハウァァァァ!」
自分を痛める相手に逆らう事も忘れ、見栄も外聞もなく大きな声を張り上げて、
必死に許しを乞う流璃子の姿を、ベルゼバブは冷ややかに見下ろしながら
「はいはい、心配しなくも、ちゃんと止めて上げますよ。
  貴方の今の姿はとても見るに耐えない物ですからね。」
侮蔑の言葉で揶揄し、そして、その無様な姿を十二分に愉しんだ末に、
やっと監視役の蝿に変調を引き起こすパルスを止める様に命令を送る。

.........

耳に入れられた蝿による淫らな攻撃は止まっていたのだが、
5分以上経った今も、流璃子の体は小刻みに震え、また熱く疼いたままだった。
ベルゼバブは床の上に息を切らして横たわる流璃子のじっくりと眺め、鼻で笑った後、
周りで見ていた部下のデビルサイダー達に命じ、
流璃子の両足首を掴み逆さに持ち上げさせて、更に股をY字に大きく開かせた。
「ヒィッ! イヤァー! 恥ずかしいぃ!」
流璃子は慌てて股間を手で隠そうとするが
骸骨を模した前あてが邪魔し、上手く隠せなかった。
「ホホホホホ、折角拭いて綺麗にして差し上げたのに
  あなたのココ、やらしい液でビチョビチョじゃないですか。」
ベルゼバブは、これ以上無い程の恥ずかしさに苦しむ流璃子を
更に深い奈落へと貶める台詞を平気で吐き付けていく。
「それに、なんか臭いますね。
  ひょっとして、流璃子さん、貴方お漏らしたんですか?」
「そんな、そんな筈ない! 私、漏らしてなんかいないわ!」
その問い掛けに流璃子は激しく首を振って否定した。
「だったら、この臭いはなんなのですか。」
ベルゼバブはそう言うと、
流璃子の指をいやらしい程濡れた股間に押し付けて充分に湿らせた後、
その指を無理矢理流璃子の鼻の前に持って来る。
僅かながらも、確かに、その指からアンモニアの恥ずかしい臭いが漂っていた。
『嘘よ! こんなの嘘よ! 私、本当に、お漏らしなんかいない。』
本当に流璃子には覚えがなかった。
だが、流璃子の指に付いた臭いが、粗相をしたのが事実であることを物語っている。
「こんなに多く者の前で、小便を漏らすなんて恥ずかしいと思わないのですか?
  しまりの無い人ですね。」
「違います。何かの間違いです。私、本当にそんなことしてないです。」
「では、何故、貴方のココからこんな臭いがするか教えて頂けませんか?」
「それは...」
流璃子は、ベルゼバブのその問いに言葉を失う。
いくら否定しても、臭いという事実は覆せない。
ベルゼバブや周りのデビルサイダー達に蔑みの目で見られ、
流璃子は生きた心地がしなかった。
「ホホホホ。どうしたのですか? 認めるのですか?
  まあ、漏らしているにせよ、いないにせよ、
  これだけ大事な所を汚してしまったら、また、洗わなくてはいけませんね。
  どうしました? お願いしなくていいのですか?
  このままずっと恥ずかしい臭いがするパンティーを穿き続ける、おつもりですか?」
ベルゼバブの言う通り、今の状態のままでいるなんて、とても堪えられることではない、
しかし、洗うにしても、
自分の力だけではパンティーを下ろせないため、綺麗に洗え切れないだろう、
また、それ以前に、了解も得ずに体を洗おうとするのを、
ベルゼバブが素直に黙って見逃してくれるとは思えなかった。
他に道がないことを悟り、流璃子は目をきつく閉じ、
口と声を震わせながら恥辱の願いをしていく。
「...ぅ...く...お願いします。ベルゼバブ様。私の汚れた股間を洗って下さい。」
「ホホホホ。素直が一番ですよ。」
ベルゼバブが高笑いしながら発したこの言葉に、
流璃子は、これからずっと、人としての尊厳を捨て、
従順なペットに成り下がって生きていく、こんな惨めな日々が続く事を思い知らされ、
まるで、心を抜き取られたかのような感覚が体の中を埋め尽くすのだった。

ベルゼバブは、流璃子の体を床へ横に寝かさせ、
その横に片膝を付き、流璃子のパンティーをゆっくりと脱がして始める。
「オシッコしたい時は、今度からちゃんと漏らす前に言うのですよ。」
なすがままにパンティーを下ろされていた流璃子は、
突然、ベルゼバブに耳元でそう囁かれ、
恥ずかしさと口惜しさに耳まで顔を真っ赤にさせた。
流璃子のその可愛らしい反応に、ベルゼバブは、くすりと1回笑い
引っぺがすかのようにパンティーを流璃子の足から強引に抜き去り、
そして、床の上で体を丸くして泣き震える流璃子を尻目に立ち上がると、
流璃子を更なる闇へと突き落とす命令を下すのだった。
「貴方の大事な所を拭く前に、服従の証として私のブーツにキスして頂けますか?」
逆らおうと考える気力さえない流璃子はおずおずと姿勢を変え、
ブラジャーとブーツしか身につけていない白い体を丸めて、
まるで土下座するような格好取り、
ベルゼバブの足の甲に花びらのような美しい唇を近づけていく。
『霊気、早く私を助けて! でないと私...私ぃ......。
  だからお願い、私がヒトでいられる内に、早く助けに来て。お願い霊気ぃ。』

屈服のキスが終わると、なんと流璃子は何も言われる前に四つん這いなり、
全てを曝け出している丸い尻をベルゼバブに向けて突き出す姿勢を取った。
「ホホホホ、なかなか、いい心がけじゃないですか。流璃子さん。
  本当に、先程までの生意気な態度が、まるで嘘のようですよ。」
ベルゼバブが、熟れて開いた秘密の媚肉を撫で回してくるが
流璃子はそれに対し何の反応も示さず、虚ろな瞳で、ただ機械的にこう答えるだけだった。
「はい。ありがとうございます。ベルゼバブ様。」




地面を叩く激しい雨音が、酷く流璃子に響き、心を痛めつけ続けた。







エピローグ


流璃子は、骸骨の前あてが付いたパンティーの代わりに何も着せて貰えず、
大事な部分や形の良い双臀部を露わにしたままの格好で洗面台に立ち、
自らの恥ずかしい液で汚したパンティーを洗い終わると、
4匹のデビルサイダー達の手によって、
まだ少しも乾かしていない冷たく湿ったパンティーを穿かされ、
そして、ベッドに座るベルゼバブの前に跪かされた。
「準備が整ったようなので、それでは、そろそろ、
  私達デビルサイダーのアジトに行きましょうか? 流璃子さん。
  いえ、今の貴方にそんな上品な名前は似合わないですね。
  この私が、相応しい名前を付けて差し上げましょう。ウ~ム、そうですね。」
目の前に座るベルゼバブが色々と話し掛けてくるが、
心を蹂躙し尽くされ精気や覇気を失った流璃子は、
ベルゼバブと目を合わせることなく、胸の辺りへ、ぼんやりと視線を送るだけだった。
「そう言えば、先程、無様に、床にへばり付く貴方の姿を見て
  昔、下級兵士のくせに、身の程もわきまえず、この私に求愛してきた
  蛙顔のデビルサイダーがいたことを思い出してね。
  そいつは確か『ブロケル』という名だったのですが、この名前を貴方に上げましょう。
  それと、あと、最下層の末端兵士となる貴方に、階級や肩書きは要りませんが、
  管理のために種族くらいを決めないといけませんね。」
名前を奪われ、代わりに屈辱的な名前を付けられそうになっているにも関わらず、
呆然自失で虚空を眺めているだけの流璃子に、ベルゼバブはクスリと小さく笑ってから、
ワザと大袈裟に突然思い付いた様な芝居をして言葉を続ける。
「そうだ! 色々な液体で、すぐにビチョビチョになる
  貴方の恥ずかしい雌の部分に、ちなんで『水魔』。『水魔ブロケル』というのはどうです?
  まさに、今の貴方にピッタリな、お似合いの名前でしょう?
  いいですか! 今日から、貴方は、
  貴方を産んだご両親がお付けになった『流璃子』という名前を棄て、
  『水魔ブロケル』と名乗りなさい。分かりましたね? 水魔ブロケル。」
『両親』という言葉が含まれたこの台詞に、
流璃子は、絶望に淀んだ瞳に困惑と驚きの色を僅かに見せて一瞬固まるが、
ゆっくりと首を折って頷いていった。
「ホホホホ、素直で宜しい。」
俯き閉じた流璃子の瞳に涙が光る。

「お前達、新しい同士、水魔ブロケルをアジトへと連れて行きなさい!」
ベルゼバブの命令が部屋に響くと、
流璃子は、4匹のデビルサイダー達に体を拘束され、
身に付けているものは骸骨を模したグロテスクな下着とブーツのみという
恥辱的な格好のまま、羽織るものも着せて貰えず部屋から連れ出されていった。

流璃子達と入れ替わるように、
白い牧師服を着た1人の男が、ベルゼバブしかいない部屋の中へ入っていく。
その男の胸には逆十字が掲げられていた。
「万事、思惑通りに事が運びまして、おめでとうございます。ベルゼバブ様。」
「ああ、フォラス。これも全て、貴方が10年以上も前から、
  裏で色々と準備を整えていてくれた、お陰です。
  今日も、復活したばかりで、夜の闇が深い4時間程度しか活動できない
  私に代わり尽力してくれて、感謝します。」
「勿体無いお言葉です。ベルゼバブ様。
  私にとって、貴方に仕えることが何より幸せなのです。
  貴方のためなら、どんな命令も遂行してみせます。」
フォラスと呼ばれた男は、ベルゼバブの前で片膝を突き深々と頭を下げる。
「ホホホホ、流石は、私が最も信頼する悪魔将軍フォラス。
  それでは、私は、一日でも早い完全復活のため休養に専念するので、
  あの忌々しいリリスの血を引くバカ娘の教育、いえ、調教を貴方に任せます。」
「了解いたしました。貴方様好みの玩具に仕立て上げてご覧にいれます。」
「本当に頼もしい限りです。では、お願いしますよ。」
「ハハー! それでは、私はこれで...」
フォラスは、もう1度、深く頭を下げると立ち上がり、
流璃子達の後を追うため部屋から出ようとするが、ベルゼバブに呼び止められる。
「待ちなさい! フォラス。」
フォラスは素早く振り返り、再び片膝を突いて跪いた。
「何で御座いましょうか? ベルゼバブ様。」
「貴方には、もう1つ、やって頂きことがあるんです。」
ベルゼバブは、椅子代わりにしていたベッドから立ち、フォラスに背中を向ける。
そして、ベルゼバブが、おもむろに外套を脱ぎ落とすと、
そこに黒い下着で彩られた豊満な女性の裸身が現れる。
ベルゼバブ程の魔力があれば、一瞬にして服を変えることなど造作もないことだった。
ベルゼバブは、流璃子とは、また違う完成された美しさを誇る成熟した肢体と、
厳粛さの消えた妖艶な顔をフォラスに見せ付けながら言葉を続ける。
「私としたことが、新しい玩具を手に入れたことに、気持ちが昂ぶってしまい、
  このままでは、しっかり休養で出来そうに無いんです。
  フォラス、命令です! 私の熱くなった体を静めなさい!」
ベルゼバブはベッドに腰を下ろし、
黒の網タイツとハイヒールで着飾った艶やかな足を組む。
「仰せのままに、喜んでお相手させて頂きます。ただ、ベルゼバブ様。
  恐れ多くも進言させて頂きますが、ベルゼバブのような高貴なお方が、
  このような粗末な部屋、しかも、こんな硬く狭いベッドで、ことに至るのは...。
  地下宮殿のご自室に戻られてからでも宜しいのではないでしょうか?」
フォラスが深くこうべを垂らし、恐縮してそう言うと、
ベルゼバブは、優しい笑顔で浮かべて答えていく。
「確かに、フォラス、貴方の言う通り、普段だったら、
  こんな所で色事をしようとは絶対に思わないでしょう。
  しかし、この部屋は、あの小娘が、慎ましいながらも幸せに、
  そして平和に暮らしていた空間。
  そんなあの小娘が普通の生活を営み大切にしていた場所で愛し合い、
  安息のベッドを汚してやるもの、一興かと思いましてね。」
「流石は、ベルゼバブ様。
  そこまで考えが及ばずに致してしまった無礼をお許し下さい。」
「いいのですよ。フォラス。さあ、いらっしゃい!」
ベルゼバブは両腕を広げ、フォラスを向かい入れる。
そして、二人は白いシーツの固いベッドの海へ沈んでいった。

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