ハルパスのネタ帳 07章21頁

題名:ハルパスのネタ帳

~いかにしてボクはお仕置きされたのか~1

ハルパスのネタ帳 07章21頁 ~いかにしてボクはお仕置きされたのか~











































 ハルパスのネタ帳。俺こと『とげとげ@三文自涜師』の前に置かれている禁断の書。
 久し振りにヴァッシュさんに呼び出されてPCと事務机が置かれたこの一室に通されたのが
ついさっき。指令は当然そのネタ帳の翻訳である。確かにその作業は俺にとってさほど新奇
なものではなかった。というよりも耽溺し没入した頃も確かにあったのだ。
「つったって...ですよ」
 ひとりごちる。この、流璃コキズムの奥義書の一つとも言えるハルパスのネタ帳をこうし
て間近に見るのは何年ぶりだろうか。俺がつまみ食いのつもりで他のジャンルに没入して帰
ってこなくなる前か。その頃俺は...思索の螺旋を断ち切るように俺はネタ帳に向かう。
大方翻訳など済んでいるはずのネタ帳、そして今となっては門外漢の俺に敢えて翻訳の依頼
を出したからにはきっと何か意味があるのだ。

『ボクの妄念が永遠を孕ませるなら、オナニーという歴史は幾度となく繰り返されるだろう。
射精へと至る幻想、背徳を紡ぎ続ける陵辱劇。ティッシュに包まれるために生まれてくる精
子。。。そして今、幾度目かの絶頂への扉が開かれる』

 アホだろお前。相変わらずハルパスはノリがいい。過去形で語るべきなんだろうが、それ
はともかく。奴がいかにして永遠やら言う性欲をもてあましていたのか見てやろう。それは
サタン復活のため全世界の六ヶ所に構築されつつあった魔法陣の一つ、某大国の砂漠と雄大
な岩山で囲まれた巨大な渓谷のはるか地底で繰り広げられていた陵辱劇。
 丁寧な話に、神父フォラスと水魔ブロケルとともに日本に向かう作戦行動が失敗した前提
で綴られた、ある種の並行世界に近いものだった。並行世界の運用なんてかの第二魔法...
いやいや、関係ない。とにかくハルパスはズリネタを構築するにあたって無駄に凝り性なの
だ、何故この几帳面さを作戦行動に生かすとかそういう思考ができなかったのか本当謎だ、
あの食べ終わった後のフライドチキン。




「お許しを、ベルゼバブ様」
 その言葉がブロケルの口から零れたのは何度目だろうか。明瞭な音節を区切って意味のあ
る単語を発音することが言葉というのなら、それは最早言葉とは呼べない。単なる喘ぎ声と
言ってもよかった。振り乱される菫色の髪が汗で張り付いた頬から張りのある豊満な乳房に
至るまで、その肌は紅を差したように色づいている。擦過傷やみみず腫れが数箇所ありこそ
すれ、彼女が言葉をまともに口にできないほどに息を荒げているのは苦痛のためではない。
「ホホホ、何を言っているのか判りませんよ。困りましたね、お仕置きなのにそんなに喜ん
でいただいては意味がありません」
 ベルゼバブは口元を笑みの形に歪めた。両手を鎖で拘束されて吊るされるブロケルの肢体
が牢獄の貧相な採光に映える。苦痛以外の理由に顔をゆがめ、息を弾ませて、汗とそれ以外
の液体を滴らせながらくねる腰にはしっかりと髑髏ぱんつが装着され、低い駆動音を漏らし
ていた。彼女が腰をくねらせているのは髑髏ぱんつから逃れようとしているのか、それとも。
「どう思いますか、ハルパス」
 投げかけられた声の先には『元ハルパスだった物』とフルオロカーボン溶液が入った巨大
なビーカー。日本で神の側の人間達の反撃を受け、更にブロケルに見殺しの憂き目に遭わさ
れて半死半生の体で逃げ帰ってきたのが一時間ほど前。今彼に加えられている治療行為も、
結局は敗北の責を負わされるための準備でしかない。ハルパスがそれを重要視するだけの理
性を残していたかどうかは判らないが、今はそれ以前の問題だった。
「再生を急ぎなさい。これではお仕置きが進みません」
 ベルゼバブは、元ハルパスを納めたビーカーに接続された機械を操作する悪魔病院の院長
パラケルススに命じた。ビーカーの中で一際激しく気泡が吹き上がり、元ハルパスの頭部が
目を白黒させるのを尻目に、ベルゼバブは指を一つ鳴らした。それに呼応するように髑髏ぱ
んつが低く唸らせていた駆動音が一際大きく響く。両手を拘束する鎖がかちゃかちゃと音を
立て、ブロケルの唇から高い喘ぎ声が漏れた。
「ヒィ!?ウアアっ!お許しを、ここれ以上は、もぅ」

 髑髏ぱんつの内側に当然のように仕込まれた張り型は、ブロケルの純潔をまるで取るに足
らない塵芥のよう吹き散らし、それからも弛む事のない前後運動、回転運動、蠕動運動を繰
り返してブロケルの胎内を犯し続けている。汗以外に滴らせていた液体は、破瓜の名残の血
液と白濁して泡立った愛液だ。破瓜の痛みがほんの一瞬で済み、胎内を引き裂かれるような
苦痛に苛まれる事がなかったのは果たして幸運だったのだろうか。その答えは判らなくても
理由は明白だった。今もまた髑髏ぱんつはびくんびくんと蠕動し、擬似的に射精している。
射精と言ってもそれは子種ではなくオママソコから抽出した催淫成分をたっぷり含んだロー
ションを膣内でぶちまけているのだ。
「ウゥ!出てる!中で暴れてるウ!ア、イク、またイッちゃうううう!?」
 涎を零しながら甲高い嬌声を響かせるブロケル。隣に設置されたビーカーの中では、その
表情を目の当たりにしたハルパスが再生したばかりの男根を怒張させて、情欲に猛る吐息を
気泡の形にして吹き上げている。そしてそれに後押しされるように一気に肉体を再生させて
いく様子に、パラケルススも、さしものベルゼバブも一瞬唖然とした表情を浮かべる。
「オホホホ、浅ましくて素敵ですよ、ハルパス」
「素晴らしい、この生命力は通常の悪魔の側の人間を大きく上回っております」
 生命力なのだろうか。そんな正常なツッコみを入れる感覚の持ち主はそこにはいない。
「クェックェックェッ、美凪るぁああああ!!」
 まだ少し脳の再生が追いついていないようだ。ビーカーから出てきたハルパスはひょこひ
ょこと千鳥足て焦点の合わない目をどこか違う地平線に向けて泳がせている。彼がよたよた
と蹈鞴を踏み、しがみつかれたパラケルススは思わず自慢の髭ドリルを放つ。血飛沫に沈み、
再度ビーカーのお世話になる羽目になったハルパス。決まり悪そうに頭をかくパラケルスス。
「パラケルスス、次にやったら犯しますよ?」
 腐れコントの蚊帳の外で、ブロケルは髑髏ぱんつに強制的な快楽を叩きつけられ続け、精
神を守る堤防は決壊寸前だった。彼女を今支えているのは、ほんの数時間前に思い出してし
まった温もり。幼き日々を過ごした森、行仁和尚、そして。
『霊気...助けて...』
 思い描く面影。友人を、母なる森を失った慟哭と怒号。紛れもなく『流璃子』の知ってい
る優しい霊気だった。嗚呼、だがその面影は。いつしかブロケルは股間から全身を突き上げ
る快感を増幅させるために霊気の名を呼び、その面影を描いていたのではなかっただろうか。
その疑念に血涙を流す心と、それを受け入れてまるで失禁したように愛液を噴出させる肉体、
解決できない二律背反が、更に『流璃子』を追い詰めていく。

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