とげとげさん

題名:姦璃人ヴァッ狩の野望

姦璃人ヴァッ狩の野望 最終章

ヴァッシュ「くっせええ!ゲロ以下の匂いがぷんぷんするぜええ!」
とげとげ「屁ぇこくもんじゃないっすよ、人前で」
ヴァッシュ「違う!なんだ、このタイトル!?」
とげとげ「仕方あんめ?尻ASSな展開になっちまったんだしけ、まじめに逝くしか!最終章!たいせつなものは、いつも胸の中にィ!錯綜する想いの辿りつくの場所は・・・」
ヴァッシュ「やめてとめてやめてとめてやめてええええ!」
とげとげ「むか...(-_-X)>あゆ!食い逃げタックルだ!」
あゆ「うぐぅ・・・イクよっ」
ヴァッシュ「とめったっ!(轢死)」

姦璃人ヴァッ狩の野望 最終章「たいせつなものは、いつも胸の中に」

「ヌウ・・・その姿は!?」
魔王子霊気が初めて動揺を見せた。とげとげの背中の羽には、いままで霊気が感じたこともないような強烈な光の力が宿っている。北の街に語り継がれる落ちこぼれ天使UGOO。おちこぼれでも、強い想いを叶える奇跡を起こすことが出来る、正真正銘の天使の力。ヴァッシュは一瞬言葉を失い、そして呟いた。
「それだけの・・・光の力を使いこなせるのに、なぜ闇オナニー道に堕ちたのだ?」

俺は、体中にみなぎる温かい光と、そして自らの存在自体が希薄になっていく感覚を味わっていた。この食い逃げ天使UGOOの力は、紛れもない光の力。俺の闇オナニズムとは相容れないもの。だが、それを短い時間でも同じ体に宿せることこそが、UGOOの起こしてくれた一つ目の奇跡だった。奇跡が、一瞬の煌きが消えないうちに・・・
「行くぞ」
輝く羽毛を撒きながら、俺の体がふわりと宙を舞う。周囲の空間が急速に後に流れていく。驚愕の表情を浮かべる霊気の姿が一瞬にして目の前に迫る。拳が唸りを上げる。光の粒子が拳に収斂し、瘴気のシールドをあっさりと打ち破った。
「グオオオ!」
ガラスの砕けるような破砕音。甲冑が砕け、さっき俺達の攻性防壁を吸い込んで蓄えた性気が霧散していく。俺も霊気も、その威力よりも、性気が霧散していく様子に慄然とした。ここにある力は、紛うことなく、俺達の力を封じる力。
「正気か、貴様ア!?そんな力を使えば、闇オナニズムは浄化されてしまうのだぞ!」
魔王子霊気が天を揺るがすような声で怒鳴る。そんなに怒鳴らなくたって聞こえてるって。理解だってしてる。正気だよ、俺は。
「おのれ!三流自涜師が!怨霊散弾!」
「ちっ、粒子光散斬!」
霊気の放った瘴気に満ちる骸の群れを、俺の羽から放たれる鋭い羽毛をかたどった光の粒子がかき消していく。そして、均衡が破れた。羽毛は壊れかけた霊気の甲冑を更にボロボロに突き崩しながら瘴気と性気を削ぎとっていく。
「ヌワアー!ぶっ殺してやる!」
霊気が怒りに我を忘れて、強大な瘴気を吐き出す。
「わっ、てめえこそ正気かよっ!?いかん、ヴァッシュさん!伏せて!」

そのとき、現場にいたものがあったら見たであろう。巨大な異形の影と、黒い光を。そして、凄まじい瘴気爆発を。
「うっひゃあ・・・俺生きてるのか?」
ヴァッシュが顔を上げると・・・そこは一体焼け野原・・・ではなかった。もし現場にいたものがあったら見たであろう。黒色光を包み込む白く輝く羽を。
「くっ・・・」
とげとげが片膝をついた。羽は、未だ強い輝きを維持したまま、次の戦いにそなえるようにはたはたと揺れている。だが、とげとげ自身の存在感が希薄になっている。魔王の起こす瘴気爆発を、ほんの局地的な破壊に食い止めた事は、UGOOの二つ目の奇跡。しかし、その奇跡は更にとげとげの性気をごっそりと浄化してしまった。とげとげの体を媒体にして光の力を発揮する替りに、UGOOは
「おい、とげとげ!」
「そろそろ限界だな・・・この光は強すぎるんですよ、俺の闇オナニズムの力をごっそり削ぎとってしまうくらいにね」
「だからか・・・済まん。一瞬でも最初から使えとか思ってしまったことが恥ずかしい」
ヴァッシュはとげとげの言葉を理解していた。別にその力が失われて、死ぬ訳ではない。ただ、この世界に、元いた世界と別の次元に存在をつなぎ止めるだけの力が失われれば、とげとげは強制的に元いた世界に戻ってしまう。
「いずれにせよ、この一撃で霊気を倒せなかったら、俺達は終わりです」

俺は、怒りに震えて未だ濃厚な瘴気を噴出させている霊気を見据えた。どんなに怒っても、俺の与えたダメージによって、戦闘力の多くは失われている。今なら、殺さずに瘴気だけを浄化するあの技が使えるだろう・・・だが、もうぎりぎりだった。どうやら、永遠に闇オナニズムの力が失われる瀬戸際まで気張ってみるしかないらしい。
「・・・そうだな。潮時か・・・」
これも償いだ。考えてみれば、並行世界で何人の女をズリネタにし、犯してきただろう。その度に俺は、このUGOOの羽を使ってそれらの罪をないことにしてきた。考えてみなくたって得手勝手な話だ。そうすることで、俺は自分の心が闇に堕ちていないつもりになっていた。ヴァッシュさんのように、闇を受け入れることが出来なかった。闇は闇。だが、光がある限り闇も存在する。いつも光が正しいとは限らない。強姦は重罪だけど。
俺は目を閉じて呪文を詠唱する。いつもの闇オナニズムを使うときのような狂気じみたテンションは必要ない。ただ静かに。このヴァッシュの無事を、この世界の平和を、霊気と流璃子への救いを・・・ただ願う。誰かのために願えば、いつでもUGOOは俺を守ってくれる。

「イ・イモンコ・ンド・アツタラコ・ツソリ・ハネツ・・・ケルモン」

とげとげの背中の羽がひときわ強く輝き、天を覆うように羽ばたく。羽毛が降り注ぐ。雪のように、白い光の結晶が巻き起こる。力強く、優しい光が降り注ぐ。とげとげに、霊気に。そして、羽毛は渦となって収束していく。霊気の背中に。一対の羽となって。
「グオワアー!熱い!これは一体ィ!?」
霊気の背中に取り憑いた羽は瘴気を吸収して中和していく。魔王の精神支配とともに消えていく魔王子の力。そして、闇は復権を企てて暴れる。霊気の精神に、肉体に干渉し、さらに強大な瘴気を生み出そうとする。とげとげが更に念をこめる。光と闇のせめぎあいが続く。そして、とげとげの体にも変化が訪れる。
「とげとげ!止せ、無茶だ!」
ヴァッシュが叫ぶ。今、闇オナニズムの奥義が一つとげとげの体から消えた。俺的自慰世界(オナニックワールド)に囚われていた、ズリネタにされつづけた少女が一人、また一人ととげとげの体から離れていくのだ。とげとげが限界を感じるのと、魔王の残存思念が諦めるのはほぼ同時だった。霊気に取り憑いていた羽が涼やかな音を立てて弾けた。雪が春の陽にとけて消えていくように、均衡して張り詰めていた力が消えていく。もはや、そこに倒れている霊気は、昆慮遮那の子でも魔王の子でもない、普通の男だった。

「ふぃー!間に合った!一人だけ残ってた!亜希コキズムは残ったぜ!」
俺はどっかりと座って煙草を吹かす。ヴァッシュは冷や汗を拭いながら鞄の中にズリネタを集め始める。どうやら、仕事は旅は終わったようだ。闇オナニズムが全て消え去ってしまう前に魔王子霊気を倒せたのは奇跡的だが、奇跡ではないようだ。羽リュックは、三回連続で奇跡を起こすと消えてしまうのだ。二連続で奇跡を起こしたなら、充電期間として一ヶ月は使い物にならない。
「じゃあ、帰るか?とげとげ」
ヴァッシュさんが大きく背伸びをしながら言う。俺が、もはやこの世界の歪みを直してから帰ろうなどと言い出すことなんて、全く予測していない声。ここは並行世界。いわば、夢の中で悪虐の限りを尽くして、それをカタルシスにして精神的健康を保つようなものだ。夢の中で強姦魔になって夢精で目覚めるようなもの。だが、それでも後味の悪さは残る。ヴァッシュさんはそれを偽善だという。俺もそう思う。それでも・・・

「あああ、流璃子・・・俺はなんてことを・・・」
人の子に戻った、ただの流璃子を愛する男が泣き崩れている。とげとげの「羽つけるもん」は、あくまで悪しき者を浄化する力。羽リュック自体の奇跡を起す力ではなく、とげとげがその力を借りて使っただけの、純粋な戦闘用の技。霊気の心に哀しみは残っているのだ。そして、魔王子だったときの記憶も。
「とげとげ、気持ちは分からないでもないがな、今それ使ったら、もうお前は・・・」
「自涜先生では・・・いられなくなるか」
「何のために命張ってまでズリネタ探訪の旅をしてきたんだ?」
「俺は・・・」

俺はもともとただのオナニー好きな、ただちょっとだけエロイマジネーションの豊富な歯牙ない男である。だが、ヴァッシュさんに会って、自涜師としての自分の存在を見つけた。闇オナニズムを極め、自涜先生と呼ばれるまでになった。その軌跡は、輝かしい彩りと人生の燃焼にあふれていた。そして、今一つの頂点にいるのだ。流璃コキズムの完成。今まさにヴァッシュさんの野望は達成されつつあるのだ。俺は、ここまで一緒に疾走してきた。今が一つの区切りだ。
「すみません。それでも俺は・・・」
「そうか・・・」
羽リュックが光を放つ。最後の願い。本当に最後の願い。いままで俺を救ってくれた光の力も、この願いを叶えたら思い出に還る。これで、俺は闇にも光にも属さない人間に戻る。自涜先生でもなく、UGOOの奇跡を行使する者でもない。だが、そうして疾走してきた輝く季節のなかで、躍動する想いと燃焼があった。確かに、俺の胸の中に。闇オナニズムも、UGOOの奇跡も、目的ではなく、手段だった。

「俺の・・・願いは・・・」

エピローグ

気がつくと俺は、ヴァッシュさんのアパートにいた。出かける前に飲んでたコーラの缶はまだ冷たい。パソコンのモニターにはスクリーンセーバーが映っていない。並行世界ではあれだけ長く交わいまくり、戦いまくっても元いた世界では大して時間が過ぎていない。まあ、この感慨を感じるのも最後だ。俺の手に残った羽リュックは、もはや本当にただのおもちゃだった。かすかに残っていた俺的自慰世界も単なる妄想に成り下がっている。ヴァッシュさんが寝ている。傍らに置かれた鞄には夥しい量の上質なズリネタがあることだろう。
「う・・・うーん、流璃子ォ!やらせろ!」
突然奇声を上げて跳ね起きる。そして、周りをきょろきょろを見まわし、大きなあくびをして立ちあがった。俺は、やれやれと肩をすくめる。生粋の流璃コキストめ。
「後悔は・・・してないようだな」
「ええ。だって、楽しかったんですよ。本当に」
「そうか」
「楽しい夢でした。俺は、その夢をヴァッシュさんの野望に伴走することで見せてもらった。これからは、俺の夢を追う番です。あんたと一緒に闇オナニズムを探求した情熱は、確かに俺の中に存在していたんです。それをぶつける何かを、見つけるだけですよ」
俺は、長いせりふを終えて息をつく。まだぬるくなっていないコーラを飲み干した。季節は初夏。窓から差し込む陽射しの温かさは多少押し付けがましい感じになってきている。
「長いセリフご苦労。これからHP更新するから、適当に漫画でも読んでてくれ」
ヴァッシュさんも特に気にした様子もなくパソコンに向かった。
「俺の夢・・・もう見つかってるかも知れないんです」
俺は羽リュックからネタ帳を取り出す。自涜先生時代に溜めこんだ、エロいシチュエーションのメモ達。克明に残された灼熱の記憶。そして、俺が自涜先生でなくなっても、UGOOの奇跡を使えなくなっても残っているもの。昔から消え残っているかすかな夢。そして、妄想力。流璃コキストでなくても、出来ること。
「俺は、SSを書く。エロいやつやらバカなやつやらいろいろとね。良かったら、使ってくれないでしょうか?」
「ああ。喜んで」


後書き

とげとげ「流璃子の衣創生伝説に続いて、謎SS書きの真実までバラしちまったですね」
ヴァッシュ「・・・何が真実だ。てめえ、最後にゃいい奴ぶりやがって。悪人!偽善者!」
とげとげ「うぐぅ」
あゆ「真似しないで・・・それよりの早くボクのリュック返してよっ」
とげとげ「わかってるよ」
ヴァッシュ「それより、お前マジでSS書き続ける気か?才能ないぞはっきり言って」
とげとげ「ぐはっ・・・はっきり言いますね。でも、俺の妄想は止まらん!その妄想力は小学四年生のうぐぅすらも欲情せしめるほどに・・・いてぇ!」
あゆ「ボクっ、小学生じゃないもん!欲情だってしてないもんっ!」
とげとげ「ならばここで書いてやろうか?あの夜繰り広げた数々のプレイの真実を!」
あゆ「うぐぅ・・・ごめんなさい」

あははーっ(冥)、謎バカSS書きのとげとげDEATH。こんな長ったらしいの読んでくれてありがとうございました。途中のエロシーンで力尽きて、最後は全然HPの趣旨から外れてしまいました。強引に自分をネタにして終わらせた感じです。
前説と後書きや、随所に出てくるネタはかなりヤバイですよね・・・いや、ネタの内容じゃなくて。ファンが見たら俺を殺すかも。いや、きっと殺す、殺すに違いない、殺さねばならない!て、をい!殺されるのか俺?
取り敢えず、機会と情熱があったら、エロのみに特化したSSS(ショートショート)でやってきたいと思いまわ。今回は長くし過ぎて破綻しましたんで。
最後に本当、ありがとうございました。特に、こんな謎SS許してくれる姦璃人ヴァッシュさんには感謝の言葉も・・・ありません。本当にないんです。言いたくないです。言うもんか。

ヴァッシュ「どむご~。コキ虫が、いい気になるなよ」
効果音 ドゴッボカッグシャッ・・・ザクッ・・・ブシューーー!!!
とげとげ「ぴくぴく・・・がふっ=■●~◎」

ではーっ♪
< 前のページ 1  2  3  4  5  6  7

小説リスト