ベルゼバブが統括する魔法陣があるグランドキャニオンに乗り込んで来る霊気たちを出迎えるために用意した舞台装置。
それは、霊気と密かに心が通い始めた流璃子を使って霊気の平常心を乱すことだった。
日本でフォラスと戦っている最中、
無差別に発せられた流璃子の心波を霊気がキャッチしていたことを、流璃子の耳の中に仕込んだ蠅を使って目敏く知覚していたベルゼバブ。
流璃子と霊気が幼馴染であることはもちろん承知していたが、
流璃子の一方的な救難信号を、こうも絶妙に受け取ることが果たしてできるだろうか?
鬼哭一族の特殊な力、幼馴染の関係、そして、数年ぶりに再会した二人といった事実を積み上げていくと、
ただならぬ要素がそこには存在すると判断せざる得なかった。
霊気と再会したときの流璃子の僅かな心拍数の上昇。
そして、流璃子の去り際に見せた霊気の何かを懐かしむかのような、霊気本人にもわからない甘く漂う雰囲気。
敵対しつつも、『互いの心に通じる何かがある』そう思った瞬間、ベルゼバブの眼光は妖しく光るのだった。
『ホホホ、僅かな邂逅を通じてそんなに想いあっていたのですか。結構。それでは二人の本懐を遂げさせてあげようではありませんか』
そんな思いが去来したベルゼバブは、部下たちの鼓舞も含めて、無抵抗に全裸で吊るされた流璃子を曝し者にして、霊気を待つのであった・・・
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